MENU



過去10年と今後10年の違いは何か?

目次

過去10年と今後10年の違いは何か?

次の10年に市場をけん引する要因を理解するには、過去のサイクルを見直すことが重要だ。

米国経済は2008~09年の金融危機を経て、 低成長、低インフレ、超低金利、各国中央銀行の量的緩和を特徴とするようになった。

これはゴルディロックス (適温) 環境を生み、特にデュレーションが長い資産、 すなわちキャッシュフローの大部分が遠い将来に発生する資産が恩恵を受けた。

このような環境は、巨大ハイテク企業や、急成長しているが必ずしも黒字ではない企業にとって有利だった。

こうした銘柄は、過去のサイクルの大部分において市場を大幅にアウトパフォームし、主要株価指数において非常に大きな割合を占めるようになった。

S&P500指数は2009年初めから2021年末までに年間16%のリターンを上げた。

同期間のハイテクと一般消費財セクターのリターンは年平均20%超だったが、エネルギーは同4%、金融は同13%、資本財は
同14%だった。

比較的安全な債券の利回りはほとんどゼロになった。 シャレット氏は 「過去10年間に有効だった戦略は、 パッシブ、米国のグロース株、 超大型株への投資だった。

今後10年間は、こうした戦略はうまくいかないだろう」 と語る。

次の10年は、潤沢なキャッシュフローを生み出す投資先が再び人気となるだろう。

ボラティリティーの上昇によって将来予測の不確実性は増し、 金利の上昇によって遠い未来のキャッシュフローの割引現在価値は低下し、資金調達コストは上昇する。

こうした動向の結果、 勝ち組になれる銘柄の範囲はバリュー志向のセクターへ拡大し、 債券は再び株式に代わる存在となる。

ただし、スムーズな道のりを期待してはならない。 ストラテジストとファンドマネジャーは、 今後10年間にわたってインフレ率と金利が構造的に上昇するとみている。

これは2022年のような年率8%のインフレ率が続くという意味ではないが、3%程度のインフレ率が何年も維持される公算が大きい。

米連邦準備制度理事会 (FRB) はインフレの抑制に焦点を絞るとみられるため、 いわゆる 「FRBプット」 による市場の下支えや、 量的緩和による資産価格の押し上げ効果は期待できない。

パースターリング・キャピタルマネジメントのディレクターであるロバート・フィップス氏は、「プールでビニールポートに乗ってくつろいでいる家族のようなものだ。

誰が一番泳ぐのがうまいかは関係ない。

プールから水がなくなれば全員が一緒に沈む」 と語る。

金融政策が今後10年間にわたって2022年と同様に株価の足を引っ張り続けるかどうかは、時がたたないと分からない。

しかし、 過去のサイクルのように株価の上昇を後押ししないことは確実だ。

クレセット・キャピタルのCIOであるジャックアブリン氏は、「(過去のサイクルで) 株式から得られたリターンの大部分はバリュエーションの上昇によるものだった。

量的緩和による追い風が消え、 逆風にさえなりかねない状況では、利益成長と配当利回りにもっと関心を払う必要がある」と語る。

賢明な銘柄選別を

バリュー株や、 配当性向の高く多額のキャッシュを還元する企業が勝ち組になる公算が大きい。

S&P500指数は以前のサイクルの勝者の比重がなお高いため、平均的な銘柄であっても、 大型株の影響が非常に大きいS&P500指数をアウトパフォームする可能性がある。

革新的なフロンティア企業に投資機会があるだろう。

労働不足とサプライチェーンの国内回帰は、産業用ロボットや自動化への投資を促進するはずだ。

再生可能エネルギー発電は化石燃料からシェアを奪い、ゲノミクス、 遠隔医療、 ビッグデータは多くの患者の治療方法を変えるとみられる。

人工知能(AI) の活用は企業やセクターを超えて広がると予想される。

こうした技術を開発する企業だけではなく、それを利用して性、効率性、競争力を高める企業も成功するだろう。

JPモルガン・チェース < JPM > やパンク・オブ・アメリカ といった銀行もこれに当てはまる。

1980年代のATMのように、AIは労働集約的な業務に費やす時間を削減し、 バックオフィスに必要な従業員の数を減らす。

モバイルアプリが進歩するほど支店は減り、 不動産費用も減少する。

医療のペーパーレス化は、ヘルスケアサービス会社のCVSヘルス やユナイテッドヘルスグループ に恩恵をもたらすだろう。

自動運転農機を製造販売するディア を見れば分かるように、農業の自動化も進むとみられる。

レストランの注文と配達はますますデジタル化され、レストランチェーンのチポトレ・メキシカン・グリルにとってプラスになるはずだ。

他にも今後10年間に進展加速するであろう明確なメガトレンドは複数存在する。

ストラテジストはグリーンエネルギーへの移行に関する投資機会に強気だ。 投資手段としては、上場投資信託(ETF)のiシェアーズ グローバルクリーンエネルギー が挙げられる。

このETFは、 太陽光や風力などの再生可能エネルギーを利用する公益電力会社やエネルギー会社を組み入れている。

しかし、 専門家は、まだ化石燃料を考慮の外に置くべきではないと指摘する。

ハーバー・キャピタル・アドバイザーズのマルチアセットソリューション責任者であるスペンサー・ラーナー氏は、 「化
石燃料には希少価値がある。

過去のサイクルでは、主に米国のシェール石油・ガス生産によってエネルギーコモディティーの供給が過剰になっていた。

今後は、エネルギー会社の経営陣は生産量の増加ではなく資本還元に重点を置くだろう。

これは非常に大きな考え方の変化だ」 と語る。

ロシア・ウクライナ戦争をはじめとする地政学的な緊張も、石油・ガス価格の潜在的な上昇要因であり続けるだろう。

エネルギー・セレクト・セクターSPDR ETF はS&P500指数を構成するエネルギー株を組み入れている。

一方、iシェアーズ米国石油ガス探査生産ETF は川上の石油ガス企業に的を絞ったエクスポージャーを提供する。

クリーンなエネルギーとそうでないエネルギーの両方に投資するバーベル戦略が、 今後10年間に進むべき道かもしれない。

海外に目を向ける

次の10年のメガトレンドの一つは「脱グローバル化」 だ。 世界各国にまたがる脆弱(ぜいじゃく) なサプライチェーンを見直す動きがすでに進んでいる。

半導体など国家的に重要とみなされる一部の産業は、生産の国内回帰に向けた政府の支援を受けている。

ジェントラストのCIOであるジム・ピソー氏は、「グローバル化は過去30年間にわたって多国籍企業の追い風となり、 インフレ率を押し下げてきた。

しかし、そのような世界は過去のものとなった。 われわれは、サプライチェーンがブロック圏内で完結する地域化の方向へ向かっている」 と語る。

これはメキシコ、ベトナム、フィリピンなどの国にとって長期的な好機だ。

その結果、こうした国々では経済活動が活発化し、賃金が上昇し、消費者の購買力が向上するだろう。

一般に米国以外の市場は、FRBが現在の利上げサイクルを終了すればアウトパフォームする可能性が十分にある。

米国以外のほとんどの地域では、株式のバリュエーションが比較的低く、ドル高も永遠には続かない。

中国以外の新興国市場は、先進国よりも人口動態のトレンドが好ましく、往々にしてコモディティーの輸出国であるため、 良い投資先になるだろう。

iシェアーズ MSCIエマージング・マーケット(除く中国) ETF は選択肢の一つだ。

ウクライナや台湾などの地政学的な火種は、 世界にとって現在よりはるかに危険な存在にいつ変わってもおかしくない。

そのようなリスクに直面する中、 債券が再び人気となっている。

低リスクの短期国債の利回りは4%前後で、 ポートフォリオの一部を安全な米国債に振り向けるのは理にかなっている。

今、松井証券、DMM、でお得なキャンペーンが行われています。
相場が低迷している今こそ小さな金額から投資を始めるのはいいかもしれません。

松井証券FX 新規口座開設獲得プロモーション
漫画★全巻ドットコム
【DMM FX】入金
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次