ども♪アラフィフの「人柱」ブロガーです。
八月最初の土曜、船橋の夜は熱を吐き出さないまま更けていきました。窓の外では室外機が規則正しく唸り続けています。台所の蛍光灯の下で、私は三本目のストロングゼロを空にしたところでした。
妙なのは、三本空けても輪郭がまったくぼやけないことです。指先はちゃんと動くし、数字を読む目も冴えたままでした。仕方なく冷凍庫の奥から焼酎の瓶を引っ張り出し、氷も入れずにグラスへ注ぎます。
証券アプリを開くと、久しぶりに緑が並んでいました。S&P500は週間+3.58%、NASDAQ100に至っては+5.12%です。今年でも指折りの上げ幅が、画面の上半分を占めていました。
ただし、その緑の大半は金曜日が来る前からすでに塗られていたものでした。決算シーズンの追い風に乗って、株はもう駆け出していたのです。
金曜日に届いた「非農業部門雇用者数、-2.3万人」という見出しは、駄目押しの一押しに過ぎません。それでも見出しだけを見れば、悪材料が祝砲に見える。焼酎の一口目は、その捻れと一緒に喉を通っていきました。
画面を下へ送ると、私の保有銘柄の列にはまだ赤が残っています。それでも先週より赤は浅い。酔えない夜に、私は今週も通信簿を開いていきます。
雇用は沈み、株は踊る──今週の魂の叫び

今週、焼酎とともに飲み下した核心は3点です。
- NASDAQ100は週間+5.12%と爆騰しましたが、主役は決算と利上げ観測後退のダメ押しでした。7月雇用統計の-2.3万人は金曜日の一押しにすぎず、「悪材料が好材料に化ける」という物語は半分だけの真実です。
- 評価損益はまだ-9.55%のマイナス圏です。それでも累計配当が35,084円まで積み上がり、トータルリターンは+1.76%とプラスを守りました。含み損を配当が黙々と押し返しています。
- ストロングゼロ3本では酔えない夜がありました。焼酎を1杯足してようやく、この一週間を数字として飲み込めた気がします。
弱い雇用統計という名の祝砲──今週の市場レジーム判定

固定コーナー「今週の市場レジーム判定」から始めます。今週は判定が先週から反転しました。
①リスクオン/リスクオフ判定
RORO指数(Risk On / Risk Off)は62.5でした。これは市場参加者がリスク資産をどれだけ選好しているかを数値化した指標です。判定は「リスクオン(弱め)」です。
先週は32.5で「リスクオフ(弱)」でしたから、一週間で30.0ポイントもの急反転になります。判定が反転した理由は一行で言えます。雇用統計の悪化で追加利上げ観測が後退し、それが株式市場にとって追い風になったためです。
②4象限レジーム判定
analysis-lab独自の4象限判定は「Expansion(エクスパンション=景気拡大期。景気が拡大し、企業業績も伸びやすい局面)」でした。
直近90日の分布は景気拡大期が84.6%でした。Recovery(リカバリー=景気回復期)が13.8%、Stagflation(スタグフレーション=景気停滞と物価高が同時に起きる局面)が1.5%です。
つまり、この3か月の相場は8割以上の期間で景気拡大期にいたことになります。今週の株高も、その延長線上にある動きだと読めます。
③根拠3行
第一に、VIX(ボラティリティ指数)は15.2でした。通称「恐怖指数」で、市場が今後の値動きの荒さをどう見ているかを表します。先週の17.1から低下しており、市場の不安は明確に後退しています。
第二に、イールドカーブ(短期債と長期債の利回りの差)は10年債−2年債で+0.44%です。長短が逆転する「逆イールド」は景気後退の先行指標とされますが、今週は順イールド、つまり景気後退の先読みサインが出ていない状態を維持しました。
第三に、失業率4.1%・CPI(消費者物価指数)前年比3.5%で、雇用と物価のバランスは崩れていません。市場局面カードのラベルも「インフレ鈍化・金利高止まり」のままです。
決算とタカ派後退──今週のマクロ環境の実像

今週の相場を動かした材料は、実は一つではありません。決算シーズンの好調が週前半を押し上げ、8月7日発表の7月雇用統計がその流れにダメ押しを加えました。
非農業部門雇用者数は-2.3万人でした。市場予想は+8.5万人、前回は+2.0万人でしたから、予想を10万人以上も下回る大幅な未達です。失業率は4.1%でした。
普通に考えれば、雇用が減るのは景気にとって悪材料です。ところが市場の反応は真逆でした。この現象の中身は、後半のCMA考察で正面から解剖します。
ただし、その「真逆の反応」を測るなら、週の中でいつ何が起きたかを分けて見る必要があります。8月7日(金)単独の騰落率は、S&P500+0.62%・NASDAQ総合+1.30%・NYダウ+0.28%でした。週間の上げ幅(S&P500+3.58%・NASDAQ100+5.12%)と比べると、金曜1日分はその一部にすぎません。
週前半(8月3日〜6日)の主役は、アトラシアン・マイクロチップテクノロジー・エアビーアンドビーなど好調な決算でした(出典:同ロイター配信記事)。しかも8月6日までNYダウは5営業日連続で史上最高値を更新しており、その上昇局面では米10年債利回りがむしろ上昇していました。
つまり週の大部分は「金利低下」ではなく「金利上昇下での決算主導の株高」で説明され、雇用統計はその流れに乗った金曜日のダメ押しでした。
実は伏線は二日前にありました。8月5日発表のADP雇用統計(民間給与計算大手ADPが集計する民間部門の雇用者数)は+4.4万人で、予想の+6.8万人を下回っています。ADPは政府発表の雇用統計の先行指標として見られる指標です。
前回が+9.5万人でしたから、民間の雇用の勢いは明らかに落ちていました。7日のNFP(非農業部門雇用者数)の弱さは、突然変異ではなかったわけです。
一方、景気そのものが折れたわけではありません。8月3日発表の7月ISM製造業景況感指数(全米供給管理協会が集計する製造業の景況感)は53.9でした。50を上回れば拡大、下回れば縮小を意味する指標です。
予想53.8・前回53.8に対してほぼ横ばいですが、拡大圏の50超はしっかり維持しています。雇用は弱い、製造業は拡大圏。この「悪いけれど壊れてはいない」という絶妙な位置が、今週の株高を許した土台です。
主要指数は、前週金曜から当週金曜にかけて総じて大きく上を向きました。
| 指標 | 前週終値(7/31) | 当週終値(8/7) | 週間騰落率 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,489.72 | 7,757.64 | +3.58% |
| NASDAQ総合 | 25,373.85 | 26,690.62 | +5.19% |
| NASDAQ100 | 28,274.20 | 29,722.30 | +5.12% |
| NYダウ平均 | 52,485.03 | 54,036.93 | +2.96% |
| 日経平均 | 64,362.02 | 65,606.71 | +1.93% |
| ビットコイン(BTC/USD) | 62,899.0ドル | 64,950.0ドル | +3.26% |
| 金(ゴールド) | 4,107.00 | 4,401.30 | +7.17% |
| 米10年債利回り | 4.745% | 4.658% | -0.087pt |
| ドル円 | 157.58円 | 157.81円 | +0.15%(ほぼ横ばい) |
指数の並びを見て、まず目に飛び込むのはハイテクの強さです。NASDAQ総合が+5.19%、NASDAQ100が+5.12%で、+2.96%のNYダウを2ポイント以上引き離しました。
先週とは完全に逆の構図です。先週はダウが強くNASDAQ100が最も弱い週でした。今週はグロース株に資金が集中的に戻ってきましたが、その主因は決算の地合いの良さであり、金利の方向感だけでは説明がつきません。
米10年債利回りは4.745%から4.658%へ0.087ポイント低下しました。数字としては小さく見えますが、方向が変わったことに意味があります。
先週は逆に0.066ポイント上昇していましたから、二週続けて同じ方向に動かない、神経質な金利です。ただし前段で見た通り、10年債利回りが上昇していた週前半も株高は止まらなかった点には注意が必要です。
今週いちばん派手に動いたのは金でした。週間+7.17%という、株よりはるかに大きい上げ幅です。
金は利息を生まない資産なので、金利が下がるほど相対的な魅力が増します。加えて、雇用悪化という不安材料そのものが安全資産への資金を呼び込みました。追加利上げ観測の後退とリスク回避需要という、方向の違う二つの追い風が同時に吹いた形です。
私のポートフォリオではIGLD(金(ゴールド)ターゲット型ETF)がここに直結しています。ランキングでの改善と、今週最大の配当着弾。その両方がこの+7.17%と地続きです。
為替はほぼ動きませんでした。ドル円は157.58円から157.81円で、週間+0.15%です。
先週が三円以上も円高に振れた荒い週だったことを思えば、今週は珍しく静かでした。おかげで今週の損益は、為替のノイズを差し引いた「運用の実力」がそのまま出ています。これは分析する側にとっては、ありがたい週です。
FRB(連邦準備制度理事会)の議長は、2026年5月22日就任のケビン・ウォーシュ氏が引き続き務めています。7月29日のFOMC(連邦公開市場委員会)は3.50%〜3.75%での据え置きでした。ただし9対3で、反対票はすべて「追加利上げすべき」という内容でした。
そのタカ派寄りの据え置きから一週間あまり。雇用統計を受けて、9月FOMCでの利上げ確率は約63%から約44%まで後退しました(前日55%・出典:ロイター配信記事)。ただし44%はまだ低い数字ではなく、市場が「利下げ」を織り込んだわけではありません。金融政策を巡る綱引きの重心はやや動いたものの、まだ拮抗しています。
インターマーケット分析の相関アラートでも、興味深い数字が出ています。ダウ平均と継続失業保険申請件数の相関がz=3.45まで強まり、S&P500と同申請件数もz=3.18でした。
通常なら失業が増えれば株は下がるはずですが、相関係数自体は0.35前後とそれほど強くないものの、過去の分布と比べると統計的には異例な水準(z=3.45)で検出されています。今週の「悪い報せが祝砲になる」構図は、私の主観ではなくデータの側にも痕跡を残していました。
データソース:– jp.investing.com(S&P500)– jp.investing.com(NASDAQ総合)– jp.investing.com(NASDAQ100)– jp.investing.com(NYダウ)– jp.investing.com(日経平均)– jp.investing.com(ビットコイン)– jp.investing.com(金)– jp.investing.com(米10年債利回り)– jp.investing.com(ドル円)– jp.investing.com経済カレンダー(雇用統計)– jp.investing.com経済カレンダー(ADP雇用統計)– jp.investing.com経済カレンダー(ISM製造業)– FRB(理事一覧)– ニューズウィーク日本版「米国株式市場」(2026年8月7日):8/7当日騰落率・決算要因・9月FOMC利上げ確率44%- OANDA証券「NYダウの振り返りと見通し」(2026年8月7日):8/6までの連続最高値更新・10年債利回り上昇- 第一生命経済研究所「ウォーシュFRBは金利据え置きも」:7月FOMC直後の利上げ確率63%- analysis-lab DB集計(市場局面カード2026-W32・インターマーケット週次)
焼酎代を運んできた11発──1,259円の配当着弾記録

| 着弾日 | ティッカー | 受取額(ドル) | 受取額(円) | 魂の叫び |
|---|---|---|---|---|
| 2026-08-03 | AIPI(AI関連株カバードコールETF) | 0.67 | 109 | 暴れ馬、週明け一番槍の109円 |
| 2026-08-03 | CEPI(暗号資産関連株カバードコールETF) | 0.93 | 151 | 混沌の覇者、今週も上位入金 |
| 2026-08-03 | DOGG(ダウの犬戦略ETF) | 0.82 | 132 | 孤軍奮闘、月次組が静かに132円 |
| 2026-08-03 | FEPI(ハイテク大手カバードコールETF) | 0.43 | 70 | 三悪魔の一角、劇薬でも律儀 |
| 2026-08-03 | ULTY(高ボラ銘柄群オプションETF) | 0.67 | 109 | 吐血銘柄、-30%の底から109円 |
| 2026-08-04 | NVDY(エヌビディア単一株オプションETF) | 0.78 | 125 | 主役の帰還、値を戻して125円 |
| 2026-08-05 | NVYY(エヌビディア・プット売り活用ETF) | 0.48 | 75 | 含み損の主犯、それでも払う |
| 2026-08-05 | TQQY(TQQQ・3倍レバレッジオプションETF) | 0.42 | 66 | 死神の施し、レバ3倍の代償 |
| 2026-08-05 | YSPY(S&P500オプションETF) | 0.16 | 25 | 偽りの安全、小銭でも参戦 |
| 2026-08-06 | IGLD(金(ゴールド)ターゲット型ETF) | 1.52 | 238 | 金の盾、+7.17%の週に最大着弾 |
| 2026-08-06 | JEPQ(ナスダック100連動・ELN活用型プレミアムインカムETF) | 1.01 | 159 | 前座、月次の貫禄で159円 |
| 合計(11発) | — | 7.89ドル | 1,259円 | — |
今週の配当着弾は11発、合計7.89ドル・1,259円でした。前週(W31)の10発・1,038円から、件数で1発、金額で221円の増加です。
金額の首位はIGLD(金(ゴールド)ターゲット型ETF)の238円でした。金が週間+7.17%と急伸した週に、金連動の月次組がポートフォリオ最大の入金を運んできた形です。
2位はJEPQ(ナスダック100連動・ELN活用型プレミアムインカムETF)の159円、3位はCEPI(暗号資産関連株カバードコールETF)の151円でした。上位3つのうち2つが月次組で、週次組の小銭を金額で上回っています。
着弾日の分布を見ると、11発のうち5発が8月3日の月曜に集中していました。雇用統計が発表される8月7日金曜の、四日も前です。相場が何を材料に動くかとは無関係に、分配金のカレンダーだけは淡々と回っています。
そして今週も、この実験でおなじみの逆説が顔を出しました。含み損が最も深い銘柄ほど、律儀に現金を運んでくるという構図です。
評価損益率-35.99%で最下位のNVYY(エヌビディア・プット売り活用ETF)が75円、-30.35%のULTY(高ボラ銘柄群オプションETF)が109円、-23.95%のTQQY(TQQQ・3倍レバレッジオプションETF)が66円を届けています。合計250円です。
基準価額を最も削られている三銘柄が、同じ週に250円の現金を口座へ運んでくる。これがカバードコール戦略の本体であり、私がこの人体実験を続けている理由そのものです。
先週着弾した453A(米国債20年超プレミアムインカムETF・東証上場)は、今週は着弾なしでした。月次組は毎週来るわけではないので、これは異常ではありません。
正直に書けば、1,259円ではストロングゼロ3本と焼酎1杯の原価を少し上回る程度です。それでも、この金額だけは誰にも取り消せません。評価損益が毎日書き換えられるのを横目に、入金の記録だけが積み上がっていきます。
AIPI爆騰、453Aだけが逆走──銘柄別損益率ランキング

| 順位 | ティッカー | 先週損益率 | 今週損益率 | 週間改善幅(pp) | 魂の叫び |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | AIPI(AI関連株カバードコールETF) | -15.61% | -9.08% | +6.53pp | 暴れ馬、決算相場を丸ごと拾う |
| 2 | NVDY(エヌビディア単一株オプションETF) | -17.62% | -11.20% | +6.42pp | 主役の帰還、先週の断末魔から急反転 |
| 3 | FEPI(ハイテク大手カバードコールETF) | -14.47% | -10.15% | +4.32pp | 三悪魔、劇薬が今週は良薬に |
| 4 | QQQI(NASDAQ100オプション連動高配当ETF) | -2.21% | +1.84% | +4.06pp | 意地のハイテク、ついにプラス圏浮上 |
| 5 | IGLD(金(ゴールド)ターゲット型ETF) | -18.48% | -15.47% | +3.01pp | 金の盾、+7.17%の恩恵は一部だけ |
| 6 | ULTY(高ボラ銘柄群オプションETF) | -33.21% | -30.35% | +2.86pp | 吐血銘柄、久々に血が止まる |
| 7 | JEPQ(ナスダック100連動・ELN活用型プレミアムインカムETF) | +4.13% | +6.79% | +2.66pp | 前座、地味にプラス幅を拡大 |
| 8 | CEPI(暗号資産関連株カバードコールETF) | -11.23% | -10.22% | +1.01pp | 混沌の覇者、BTC高でも控えめ |
| 9 | DOGG(ダウの犬戦略ETF) | +5.34% | +6.20% | +0.87pp | 孤軍奮闘、ダウ+2.96%を淡々と反映 |
| 10 | 563A(NASDAQ100日次カバードコールETF・カバー率約10%・東証上場) | +1.37% | +2.05% | +0.68pp | 国産新型兵器、追随設計が効いた |
| 11 | TLTX(米国長期国債カバードコールETF) | -8.29% | -7.87% | +0.42pp | 金利の刃、ようやく浅く抜ける |
| 12 | TQQY(TQQQ・3倍レバレッジオプションETF) | -24.10% | -23.95% | +0.15pp | 死神、爆騰週でも底から動かず |
| 13 | YSPY(S&P500オプションETF) | -19.34% | -19.20% | +0.13pp | 偽りの安全、+3.58%の恩恵は0.13pp |
| 14 | NVYY(エヌビディア・プット売り活用ETF) | -35.96% | -35.99% | -0.02pp | 含み損の主犯、最深部で微動だにせず |
| 15 | 2865(NASDAQ100カバードコールETF・東証上場・カバー率100%) | +1.28% | +0.64% | -0.64pp | 守備の番人、上昇週こそ苦しい |
| 16 | 453A(米国債20年超プレミアムインカムETF・東証上場) | -1.06% | -3.25% | -2.19pp | 国債使い、唯一の逆走で最下位 |
※563A・2865・453Aは円建て、他13銘柄はドル建ての評価損益率です。
今週は16銘柄中13銘柄が改善し、悪化は3銘柄だけでした。先週が7改善・9悪化だったことを思えば、内訳がきれいに裏返っています。
首位はAIPI(AI関連株カバードコールETF)の+6.53ppでした。先週-15.61%だった評価損益率が、一週間で-9.08%まで浅くなっています。
2位のNVDY(エヌビディア単一株オプションETF)は+6.42ppです。先週、単独で-3.21ppの陥落を演じて最下位に沈んだ銘柄が、今週は一転して2位に飛び込みました。
この一週間でNVDYが取り返した6.42ポイントは、先週失った3.21ポイントのちょうど倍にあたります。先週いちばん深く沈んだ銘柄が、今週いちばん高く跳ねたわけです。評価どおり、下落の速度も上昇の速度も一級品でした。
上位を占めたのは、いずれもハイテク・AI系のカバードコールETFです。3位のFEPI(ハイテク大手カバードコールETF)が+4.32pp、4位のQQQI(NASDAQ100オプション連動高配当ETF)が+4.06ppでした。
NASDAQ100が週間+5.12%と主要指数で最も上げた事実が、そのまま順位に写像されています。先週「今週プラスだった指数のうち最も上がらなかった部分を握っていた」と書きましたが、今週はその同じ握りが、最も上がった部分になりました。
特筆すべきはQQQIです。先週-2.21%だった評価損益率が、今週+1.84%へとプラス圏に浮上しました。「安定感担当」という評価を、上昇局面でも守り切っています。
5位のIGLD(金(ゴールド)ターゲット型ETF)は+3.01ppでした。ただし、金そのものが+7.17%上昇したことを考えると、拾えた分は半分にも届きません。
理由はカバードコール戦略の構造そのものです。原資産が急騰すれば、売っているコールオプションの側で損失が出ます。ここは後半のCMA考察で改めて掘ります。
一方、爆騰週なのにほとんど動かなかった銘柄もあります。12位のTQQY(TQQQ・3倍レバレッジオプションETF)が+0.15pp、13位のYSPY(S&P500オプションETF)が+0.13ppです。
S&P500が+3.58%、NASDAQ100が+5.12%も上げた週に、この二銘柄が拾えたのは0.15ポイント以下でした。上値を売り切っている銘柄は、指数がどれだけ跳ねても取り分が増えません。マスターがYSPYを「偽りの安全」と呼ぶ意味が、数字で可視化された週です。
そして唯一の逆走が、最下位の453A(米国債20年超プレミアムインカムETF・東証上場)でした。-1.06%から-3.25%へ、単独で-2.19ppの悪化です。
株が上がった週に債券ETFが売られるのは、資金が安全資産からリスク資産へ移る局面では自然な動きです。加えて453Aは、円建ての仮面の下に米金利と為替の二重リスクを抱えています。
15位の2865(NASDAQ100カバードコールETF・東証上場・カバー率100%)が-0.64ppと沈んだのも示唆的です。カバー率100%で値上がり益を完全に手放す設計のため、上昇局面でこそ取り残される構造になっています。
対照的に、同じ東証上場でもカバー率約10%の563A(NASDAQ100日次カバードコールETF)は+0.68ppで10位に入りました。上昇追随型と守備型、設計思想の違いが今週のように上げた週にくっきり出ます。
赤字が浅くなった夜──決算報告とポートフォリオ全景

| 項目 | 金額(ドル) | 金額(円・為替込み) |
|---|---|---|
| 投資元本 | 1,974.03ドル | 310,206円 |
| 株式時価総額合計 | 1,778.63ドル | 280,570円 |
| 株式評価損益合計 | -195.40ドル | -29,636円 |
| 株式評価損益率 | -9.90% | -9.55% |
| 累計配当金総額 | +221.87ドル(元本比+11.24%) | +35,084円(元本比+11.31%) |
| トータルリターン | +26.47ドル | +5,448円 |
| トータルリターン率 | +1.34% | +1.76% |
※為替レート:1ドル=157.75円(analysis-lab DB基準・2026年8月7日時点)
今週の通信簿を、私が実際に体感する円建て(為替込み)を主役に読み解きます。円建てのトータルリターンは+1.76%(+5,448円)でした。
元本310,206円に対し、株式評価損-29,636円と累計配当35,084円を合算した実額です。先週の+757円から、一週間で4,691円の改善になります。
この4,691円の内訳がきれいなので、分解しておきます。評価損が-33,068円から-29,636円へ3,432円改善し、そこへ今週の配当1,259円が乗りました。3,432円と1,259円を足すと、ちょうど4,691円です。
つまり今週の前進は、値上がりによる回復が7割、配当の積み上げが3割という配分でした。相場が跳ねた週なので当然の比率ですが、配当が常に3割前後を担い続けている点は覚えておく価値があります。
株式評価損益率は-9.55%まで浅くなりました。先週の-10.66%から1.11ポイントの改善です。ドル建てでは-12.19%から-9.90%へ2.29ポイントの改善で、円建ての倍以上の回復幅になっています。
ここに、先週から続く為替の話がつながります。ドル建ての改善幅がこれほど大きいのに、円建ての改善が半分以下にとどまったのはなぜか。答えは、今週わずかに円高が進んだことです。
DB基準の為替は先週160.18円、今週157.75円でした。2.43円の円高が、ドル建ての回復を円換算する段階で削り取っています。
ただし、この2.43円をそのまま「今週市場で進んだ円高」と読むのは早計です。先週のDB為替160.18円は、前掲マクロ表のjp.investing.com終値(7/31・157.58円)とも2.60円ズレています。
USD/JPYはほぼ24時間取引のため日足の区切りがソースによって異なり、この差の大半は約1営業日分の計測基準のズレです。つまり2.43円のうち、実際に今週市場で進んだ円高はごく一部にとどまります。
累計配当金は221.87ドル・35,084円まで積み上がりました。投資元本に対する比率は+11.24%です。先週の+10.86%から、一週間で0.38ポイント伸びています。
この11.24%という数字が、この実験のいちばん硬い部分です。評価損益は市場が毎日書き換えますが、受け取った配当は市場が取り消すことができません。
そして今週、その硬い数字が効きました。評価損はまだ-9.55%です。それでも累計配当は円建てで元本比+11.31%まで積み上がっているため、トータルリターンはプラス圏に残っています。配当が含み損を1.76ポイント上回っている(円建てベース:+11.31%−9.55%)という、この一点だけが今の私の生命線です。
なぜ「決算とタカ派後退」が株を押し上げたのか──CMA週替わり考察

結論から言います。今週NASDAQ100を+5.12%押し上げた主犯は、実は雇用統計ではありません。決算シーズンの好調と、9月利上げ観測の後退(利下げ期待ではありません)という2つの力が主役で、金曜日の弱い雇用統計はその流れへのダメ押しでした。
今週の教育テーマとして、「Bad News is Good News(悪い報せが好材料になる)」という現象が、どこまで本当で、どこから後付けの物語になるのかを、正面から解剖します。
まず、時間軸を分解します。週間の騰落率(S&P500+3.58%・NASDAQ100+5.12%)は「金曜日に何が起きたか」の証拠として語られがちですが、金曜1日(8月7日)単独の騰落率はS&P500+0.62%・NASDAQ総合+1.30%・NYダウ+0.28%にとどまります。週の上げ幅の7〜9割は、金曜日より前にすでに達成されていたことになります。
週前半(8月3日〜6日)の主役は決算でした。アトラシアン(+35.3%)・マイクロチップテクノロジー(+13.9%)・エアビーアンドビー(+17.4%)など好調な決算が株高要因として報じられています。
さらにNYダウは8月6日まで5営業日連続で史上最高値を更新しており、この上昇局面では米10年債利回りはむしろ上昇していました(ホルムズ海峡を巡る地政学的な不透明感が要因)。つまり週の大部分は、「金利が下がったから株が買われた」のではなく、「金利が上がっていてもなお決算が株を押し上げた」局面でした。
メカニズムを3段階で解剖する(主因ではなく増強要因として)
金曜日に起きたことも整理しておきます。理由の経路を、3段階に分けて説明します。
第一段階は金融政策の予想変更です。7月29日のFOMCは据え置きでしたが、反対票3名はいずれも「0.25%の追加利上げをすべき」という主張でした。この時点でフェドファンド金利先物ベースの9月利上げ確率は約63%(据置37%)で、市場はまだ利上げの可能性を高く見ていました。
そこへ雇用統計の大幅未達が出ました。9月FOMCでの利上げ確率は、雇用統計後に約44%まで低下しました(前日55%)。ここで重要な留保があります。44%は「利下げが有力」という数字ではありません。市場はなお5割近い確率で追加利上げの可能性を残しており、「金利低下期待」という言い方は正確には「追加利上げ観測のやや後退」です。
第二段階は、この程度の後退でも一部のグロース株には効くという点です。株価の理論値は、企業が将来生み出すキャッシュフローを、金利(割引率)で現在価値に割り戻して求めます。利上げ確率が下がれば、割引率が将来さらに上がるリスクが減る分だけ理論値を押し上げます。
ただしこれは「割引率が下がった」のではなく「割引率がこれ以上悪化するリスクが後退した」効果であり、決算主導の株高に比べれば規模は限定的です。
第三段階は、その効果が集中する場所です。利益の大半が遠い将来に見込まれる企業ほど、割り戻す年数が長く、金利変化の影響が増幅されます。
NASDAQ100が主要指数で最も上げ、NYダウの上げ幅が最も小さかった背景には、この増幅効果も一部寄与していると読めます。ただし、その差の主因を金曜日1日の反応だけに求めるのは無理があります。週の大半はすでに決算主導で動いていたからです。
ただし、CMA(証券アナリスト)として重要な留保をもう一つ書いておきます。「Bad News is Good News」が成立する条件は、狭い範囲に限られます。
雇用の悪化が「利上げ確率をやや下げる程度で、景気後退を確信させるには不十分」という範囲に収まっているときだけ機能する効果であり、今週の株高の説明としては、あくまで補助的な一因にとどまります。
境界線はどこか。今週のデータで言えば、ISM製造業景況感指数53.9が拡大圏の50超を維持していること、イールドカーブが+0.44%の順イールドを保っていることの2点です。
ただしCPI前年比3.5%はFRB目標(2%)の1.75倍で高止まりしており、FOMCで地区連銀総裁3名が即時利上げを主張したタカ派色の強さも踏まえると、「雇用と物価のバランスは崩れていない」と言い切るにはなお神経質な均衡です。
この均衡が崩れれば、市場は同じ雇用統計を「景気後退の始まり」として読み替え、株価は売られます。Bad News is Good Newsは、いつでも成立する法則ではなく、決算という土台があって初めて効いた、条件付きの一因です。
カバードコールETFへの影響
さて、ここからが本題です。この相場が、カバードコールETFにとって何を意味したのかを分解します。
カバードコールETFは、保有株式に対してコールオプション(一定価格で買う権利)を売り、その代金であるプレミアムを分配金の原資にする仕組みです。値上がり益の上限を手放す代わりに、定期的な現金を受け取ります。
今週のような急騰局面では、この戦略に二つの力が同時に働きました。
一つ目は追い風です。原資産が上がれば基準価額(NAV)も上がります。AIPIが+6.53pp、NVDYが+6.42pp改善したのは、この効果が素直に出た結果です。
二つ目は向かい風です。VIXが17.1から15.2へ低下しました。ボラティリティが下がるとオプションプレミアムは薄くなるため、来週以降の分配金原資にとっては逆風になります。
今週は、追い風が向かい風を明確に上回りました。ただし、この二つは時間差で効きます。NAV回復は即座に、プレミアム減少は次回以降の分配金に効いてくるからです。
もう一つ、上値切りの代償も測っておきましょう。ここで訂正が必要です。ランキング表の「pp」表示は評価損益率(取得原価に対する比率)の前週差であり、指数の週間騰落率(時価に対する比率)とは分母が異なります。含み損を抱えた銘柄はこの2つを単純比較すると、実際の値上がり率より小さく見えてしまいます。
正しく週間の価格変動率に換算すると、AIPIは+7.74%、NVDYは+7.79%で、いずれもNASDAQ100の+5.12%を上回っています(原資産の値動きがNASDAQ100より大きい銘柄のため、指数超過そのものは戦略の反証ではありません)。
一方、IGLDは+3.69%で金の+7.17%の51.5%、TQQYは+0.20%・YSPYは+0.17%と、指数の値動きにほとんど追随できていない銘柄も残ります。
つまり「上値切りの代償」は一律のレンジではなく、銘柄ごとの設計(カバー率・原資産のベータ)によって大きくばらつくというのが正確な結論です。TQQYやYSPYのような上値を深く売っている銘柄ほど代償が大きく、AIPIやNVDYのような高ベータ銘柄では、値上がり分がオプション料の目減りを上回ることもあります。
だからこそ、評価するときに指数と単純比較してはいけません。カバードコールETFの成績は、NAVの変動だけでなく、受け取った分配金を足し戻して初めて意味を持ちます。IGLDは8月6日に1.52ドルの分配を出しており、これを足し戻せば金に対する追随度はさらに上がります。
私の口座で言えば、評価損益率-9.55%だけを見れば失敗にしか見えません。しかし累計配当+11.24%を足したトータルリターンは+1.76%です。同じ口座が、見る指標によって失敗にも成功にも見えるという構造を理解しないと、この戦略とは付き合えません。
為替の宿題とROCの注意点
最後に、為替の宿題を一つ片付けておきます。先週、私は「円安の貯金が残り2.8円まで削られた」と書きました。今週の数字で計算し直します。
先週は円建て3銘柄を含む全体で概算していました。しかし為替の影響を正確に測るなら、ドル建て13銘柄だけを取り出すのが筋です。その13銘柄の取得原価は272,013円・1,731.92ドルで、平均取得レートは約157.06円になります。
現在のレートは157.75円ですから、円安の貯金は約0.7円しか残っていません。率にすると0.4%程度です。
この0.4%という数字、実は今週の表にすでに現れています。評価損益率は円建て-9.55%に対しドル建て-9.90%で、差は0.35ポイントです。トータルリターン率も円建て+1.76%に対しドル建て+1.34%で、差は0.42ポイントでした。
いずれも0.4%前後です。為替の貯金0.4%が、そのまま円建てとドル建ての差として表れていることが確認できます。理論と実測が一致しているので、この計算は信頼していい水準だと考えます。
言い換えれば、ドル円が157.06円を割り込んだ瞬間、円建ての数字はドル建てより悪く見え始めます。残り0.7円。この薄さは、来週以降の記事で必ず効いてくる論点です。
なお、カバードコール・オプションインカム型ETFの分配金には、元本の一部払い戻しが含まれる場合があります。この仕組みはROC(Return of Capital)と呼ばれ、運用益だけが原資とは限りません。分配金の額面だけを見て利回りを評価するのは危険で、中身を疑う視点が必須です。
ROCの比率は月ごとに変動するため、運用会社が公表するSection 19(a)通知で継続的に確認する必要があります。今週分の最新通知は未確認のため、具体的な比率の記載は控えます。前月までの傾向として、複数銘柄で分配金の大半をROCが占めていた事実だけ、改めて書き添えておきます。
本記事は筆者個人の運用記録であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。 カバードコールETFを含む本稿で扱う商品はいずれも元本が保証されておらず、価格変動により元本割れする可能性があります。
本記事で示す過去の運用実績(配当実績・評価損益等)は、将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。文中の「売らないでください」等の表現も一般的な市場教育の観点からの筆者個人の見解であり、特定の売買行動を推奨・指図するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。
結論

聞いてください!!
雇用統計が大コケした金曜日、あなたはニュースの見出しを見て、まず身構えたのではないですか。景気が悪くなる、株が下がる、また含み損が深くなる。そう覚悟して口座を開いた人は、決して少なくないはずです。
そして画面には、S&P500+3.58%、NASDAQ100+5.12%という緑の数字が並んでいました。身構えた自分が滑稽に思えて、乗り遅れた気分になりませんでしたか。
大丈夫です。今週の答えは、すでに数字の中に出ています。ただし答えは一つではありません。決算という土台の上に、雇用統計による利上げ観測のやや後退がダメ押しを加えた。
株価が見ていたのは今日の景気だけでなく、企業の実力と明日の金融政策の両方でした。「弱い雇用統計が全部の理由」と単純化するのは、実は乗り遅れた気分の裏返しかもしれません。
ここで覚えておいてほしいのは、逆説的な真実です。決算という土台がある相場で悪材料が出ても、見出しだけを見て慌てて売った人は損をしやすいという構図です。
今週、-2.3万人という数字だけを見て投げた人は、その日を含む週にNASDAQ100が+5.12%上昇する場面を、指をくわえて見ていたことになります。ただしこれは今週この条件下で成立した話であり、常に正しい法則ではありません。
証券アナリストとしての理論的な根拠も、はっきり書いておきます。私の口座の評価損益率は-9.55%で、まだマイナス圏です。それでも累計配当は円建てで元本比+11.31%まで積み上がり、トータルリターンは+1.76%とプラスを守っています。
配当が含み損を1.76ポイント上回っている限り、短期の評価損に一喜一憂する必要はありません。市場が毎日書き換える評価損益は、まだ確定していない「意見」です。口座に着弾した1,259円は、誰にも取り消せない「事実」です。
正直に告白すれば、私はこの週末、ストロングゼロを3本空けても酔えませんでした。指先も目も冴えたままで、仕方なく焼酎を1杯足しました。
含み損はまだ29,636円残っています。円安の貯金も、残り0.7円まで削られました。誇れる戦績ではありません。それでも今週、配当は11発・1,259円が着弾しています。
評価損益率-35.99%で最下位のNVYYが75円を、-30.35%のULTYが109円を、-23.95%のTQQYが66円を運んできました。いちばん深く沈んでいる銘柄たちが、いちばん静かに現金を届けてくる。この構図を見るために、私はまだこの実験を続けています。
来週は8月中旬(8月12日予定)に7月のCPI(消費者物価指数)が発表されます。9月FOMCの利上げ確率はまだ44%残っており、ここでインフレが再加速すれば、利上げ確率は再び5割を超えて戻ってくる可能性があります。逆に鈍化していれば、決算主導の株高に「利上げ観測の後退」がもう一段重なる形になります。
だからあなたに伝えたいのは、たった1つ。数字が跳ねた週も、沈んだ週も、狼狽して売らないでください。悪い報せで売り、良い報せで買うのを繰り返せば、上値だけを売り渡して下値だけを拾い続けることになります。
来週のCPIがどちらに転んでも、私は同じことをします。着弾した配当を数え、含み損を直視し、そして数字をここに書き残す。それだけです。
今夜も船橋の台所で、酔えないまま、私はその音を数えています。人体実験は、まだ続く。
よくある質問(FAQ)
Q1. NASDAQ100が大幅上昇した一方で評価損が残っているのはなぜですか。
NASDAQ100が大幅に上昇したにもかかわらず評価損が残っているのは、主にカバードコール戦略を採用しているETFの特性によるものです。
カバードコール戦略では、原資産(この場合はNASDAQ100指数に連動する株式など)を保有しながら、その原資産のコールオプションを売却します。この戦略の目的は、オプションの売却によってプレミアム(オプション料)を獲得することです。
しかし、この戦略には以下の特性があり、NASDAQ100が大幅に上昇した場合に評価損が生じる可能性があります。
- 値上がり益の限定:カバードコール戦略では、原資産価格が上昇した場合の値上がり益が限定されます。これは、売却したコールオプションの権利行使価格を超えて原資産が上昇すると、オプションの買い手が権利を行使し、原資産を売却しなければならないためです。結果として、原資産のみに投資した場合と比較して、投資成果が劣後する可能性があります。
- コールオプションの評価値の変動:株価指数水準や株価指数変動率(ボラティリティ)の変動により、コールオプションの評価値が変動し、損失を被る場合があります。特に、原資産が急激に上昇すると、売却したコールオプションの価値も上昇し、評価損が発生することがあります。
- 戦略再構築時の影響:戦略を再構築する際に、原資産価格が下落し、その後当初の水準程度まで回復したとしても、基準価額の回復は原資産価格に比べて緩やかになる可能性があります。
- アクティブ運用リスク:一部のETFはアクティブ運用されており、投資判断が必ずしも期待通りの結果やリターンを生み出すとは限りません。これにより、ファンドが目標を達成できなかったり、ベンチマークを下回ったりする可能性があります。
これらの要因により、NASDAQ100が大幅に上昇したとしても、カバードコール戦略を採用しているETFでは、評価損が残る、あるいは原資産のパフォーマンスに劣後する状況が発生しうるのです。
出典:– グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF (2865) – 簡易目論見書- NEOS Nasdaq-100 High Income ETF (QQQI) – Prospectus- グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF (563A) – 簡易目論見書- JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF (JEPQ) – Fact Sheet
Q2. カバードコールETFの含み損を配当金で補う運用戦略は長期的に有効ですか。
カバードコールETFの含み損を配当金で補う運用戦略は、長期的に見ると有効性が限定的である可能性があります。
カバードコール戦略は、原資産(株式など)を保有しながら、その原資産のコールオプションを売却することで、オプションプレミアム(配当金)を獲得する戦略です。この戦略は、原資産価格が緩やかに上昇している局面や、横ばいの相場、あるいは軽度の下落局面において有効性が発揮されるとされています。
しかし、カバードコール戦略には以下のようなリスクと特性があります。
- 上昇益の限定:原資産価格が上昇した場合、カバードコール戦略では値上がり益が限定されます。オプションの権利行使価格を超えて原資産が上昇しても、それ以上の利益は得られません。
- 下落リスクの保有:原資産が下落した場合、カバードコール戦略は損失リスクを保有します。オプションプレミアムが、原資産の価格下落による損失を相殺するのに十分でない場合があります。
- 元本回復の遅延:原資産価格が下落し、その後当初の水準程度まで回復しても、カバードコール戦略では基準価額の回復が原資産価格に比べて緩やかになる可能性があります。
- ボラティリティの高い銘柄のリスク:AI関連株(AIPI)、暗号資産関連株(CEPI)、ハイテク大手(FEPI)、エヌビディア単一株(NVDY)など、ボラティリティが高い銘柄を対象としたカバードコールETFは、下落時の速度が速かったり、元本の毀損が止まらないといったリスクが指摘されています。
- レバレッジ型ETFのリスク:TQQQ(3倍レバレッジ)オプションを対象とするTQQYのように、指数が横ばいでも損失を出す可能性がある商品もあります。
これらの点から、カバードコールETFの配当金は、原資産の価格下落による含み損を完全に補うには不十分である可能性があり、特にボラティリティの高い銘柄やレバレッジをかけた戦略では、長期的な元本維持が困難になる場合があります。
ただし、米国長期国債を対象としたカバードコールETF(453A, TLTX)のように、比較的リスクが低いとされる銘柄も存在します。しかし、これらも金利変動リスクや為替リスク(円建ての場合)に晒される可能性があります。
したがって、カバードコールETFの含み損を配当金で補う運用戦略は、原資産の特性や市場環境によってその有効性が大きく異なり、特にボラティリティの高い銘柄では長期的な元本維持が難しい場合があるため、注意が必要です。
出典:– ポートフォリオ銘柄マスター- グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF (2865) – 簡易目論見書- FT Cboe Vest Gold Strategy Target Income ETF (IGLD) – Prospectus- GraniteShares YieldBOOST NVDA ETF (NVYY) – Prospectus Summary- iシェアーズ 米国債20年超 プレミアムインカムETF (453A) – ファクトシート
Q3. 雇用統計の悪化(悪材料)が株高(好材料)につながる理由を教えてください。
今週のケースでは、雇用統計の悪化だけが株高の主因ではありません。記事本文のCMA考察が示す通り、主犯は①決算シーズンの好調、②9月FOMCでの追加利上げ観測の後退という2つの力で、金曜日の弱い雇用統計はその「ダメ押し」に過ぎませんでした。
利上げ観測の後退がグロース株に効くのは、将来の利益を現在価値に割り引く際の割引率が下がり、理論株価を押し上げるためです。特に利益の多くが遠い将来に見込まれる企業ほど、この効果は増幅されます。
ただし、この「Bad News is Good News」が成立する条件は狭く、今週で言えばISM製造業景況感指数が拡大圏(50超)を維持し、イールドカーブが順イールドを保っていることの2点が土台になっていました。
CPI前年比がFRB目標を大きく上回ったまま高止まりしている点では、なお神経質な均衡であり、この均衡が崩れれば、同じ雇用統計が景気後退のシグナルとして逆に売り材料に読み替えられる可能性があります。
出典:– 本記事「なぜ『決算とタカ派後退』が株を押し上げたのか──CMA週替わり考察」セクション

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