ベナーサイクルで読み解く2025年以降の株式・仮想通貨・金市場

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序章:ある農夫の市場への「復讐」

19世紀のアメリカ、オハイオ州。サミュエル・ベナーという名の、成功した裕福な農夫がいました 。

彼の人生は順風満帆に見えましたが、1873年にアメリカを襲った金融パニック(恐慌)と、それに追い打ちをかけるような豚コレラの大流行によって、その富は一夜にして失われてしまいました 。

多くの人が絶望に打ちひしがれる中、ベナーは違いました。彼は打ち負かされる代わりに、市場そのものを理解しようという執念に燃えたのです 。  

農夫であったベナーは、自然界が持つリズム、つまり季節のサイクルが作物の収穫量に影響を与え、それが供給と需要、そして最終的には価格を左右するということを肌で知っていました 。

彼は、この自然界の周期性という考え方を、より広範な経済活動にも適用できるのではないかと考えました。金融市場はランダムで混沌としているように見えるが、実は予測可能なパターンに従って動いているのではないか、と 。  

この探求の末、1875年に彼は一冊の本を出版します。『ベナーの予言:未来の価格の浮き沈み(Benner’s Prophecies: Future Ups and Downs in Prices)』と題されたその本には、驚くべきことに2059年までの市場の動きを予測した、一枚のシンプルなチャートが掲載されていました 。

そのチャートには、時に「確実なこと(Sure thing)」という大胆な言葉も添えられており 、以来1世紀以上にわたって投資家たちの間で密かな関心の的となってきました。  

この記事では、この150年前の理論の核心に迫ります。ベナーサイクルとは一体何なのか?私たちのすぐ先に待つ2025年以降の未来を、それはどのように「予言」しているのか?

そして最も重要な問いは、AIや超高速取引が市場を支配する現代において、一人の農夫が残した19世紀の「市場 almanac(暦)」に、現代の投資家は耳を傾けるべきなのでしょうか?この問いこそが、本稿が解き明かそうとする中心的なテーマです。

第1章 ベナーサイクルを解き明かす:市場を支配する3つのリズム

ベナーサイクルを理解する鍵は、彼が市場に見出した3つの異なる「季節」、つまりリズムを把握することにあります。これは現代のテクニカル分析とは全く異なり、非常にシンプルで直感的なフレームワークです。

市場の3つの主要フェーズ(「何」を予測するのか)

ベナーは、市場のサイクルを3つの明確な期間に分類しました。ここでは、彼のオリジナルの言葉とその意味を解説します。

  • A. Panic Years (パニックの年): 「パニックが過去に起こり、そして再び起こる年」。これらは、市場参加者が理性を失い、極端な買いや売りに走ることで価格が乱高下する期間を指します 。  
  • B. Good Times (好景気の年): 「好景気の年。高値であり、株式やあらゆる種類の資産を売るべき時」。これはサイクルの頂点、つまり市場が活況を呈し、楽観論が支配する時期です。ベナーは、この時期を利益を確定するための最適なタイミングだと考えました 。  
  • C. Hard Times (困難の年): 「困難の年。安値であり、株式や不動産、商品などを買い、好景気の年が来るまで保有し、そこで売却すべき時」。これは市場の底であり、悲観論が蔓延し、資産が割安に放置されている時期を指します。ベナーによれば、ここが絶好の買い場となります 。  

19世紀の論理(「なぜ」そうなるのか)

ベナーの理論の根底には、農夫そして実業家としての彼の世界観がありました。彼は、複雑に見える経済も、いくつかの基本的なサイクルの組み合わせで説明できると考えたのです。

  • 商品サイクル: 彼の分析の中心にあったのは、当時の産業と農業の根幹をなす主要な商品の価格サイクルでした。具体的には、トウモロコシと豚の価格における11年周期、綿花の11年周期、そして銑鉄(pig iron)の27年周期です 。特に彼は、製鉄業の動向が経済全体の健全性を示すバロメーターであると見なしていました 。  
  • 太陽との関連性: ベナーはさらに踏み込み、11年周期で変動する太陽の黒点活動と市場サイクルとの間に関連性があるという仮説を立てました。彼は、太陽活動が天候に影響を与え、それが農作物の収穫量を左右し、結果として供給、需要、収益、そして経済全体に波及していくと考えたのです 。これは科学的に証明されたものではありませんが、彼の思考の根源を理解する上で非常に興味深い点です。  

繰り返されるパターン(「どのように」動くのか)

ベナーは、これらの観察から、彼のチャートの根幹をなす具体的な数値パターンを導き出しました。

  • パニック (A): 16年、18年、20年という周期を繰り返して発生する 。  
  • 好景気 / 高値 (B): 価格のピークは、8年、9年、10年というパターンで訪れる 。  
  • 困難の年 / 安値 (C): 価格の底は、11年、9年、7年というパターンで訪れる 。  

これらのパターンを理解することで、ベナーサイクルが単なる当てずっぽうではなく、彼なりの体系的な観察に基づいていることがわかります。しかし、このサイクルを現代の投資に活かすためには、その本質をより深く理解する必要があります。

ベナーサイクルは、RSIや移動平均線のような価格ベースの指標とは根本的に異なります。その入力データは価格や出来高ではなく、ベナーが自然界や経済活動から見出した、あらかじめ定められた「年」そのものです 。

そして、その出力は「パニック」「好景気(楽観)」「困難の年(悲観)」といった、人間の集団心理を直接的に表現する言葉です 。  

つまり、ベナーサイクルは特定の価格を予測するツールではなく、投資家の感情的な環境を予測するための長期的なカレンダーなのです。市場が「恐怖」に支配される時期と、「強欲」に支配される時期を教えてくれるものです。

この点を理解することは、この古くて新しいツールを責任を持って活用するための第一歩と言えるでしょう。それは短期的な売買のタイミングを計るものではなく、「困難の年」には積極的になり、「好景気の年」には守りを固めるといった、長期的な資産配分の戦略を立てるための羅針盤なのです。

第2章 未来を垣間見る:ベナーサイクルが予測する2025年~2035年

では、この150年前のチャートは、私たちの未来について具体的に何を語っているのでしょうか。現代の解釈を総合すると、市場は2023年を含む「困難の年」(買い場)から移行しつつあり、2026年に「好景気」と名付けられた大きなピークを迎え、その後2027年から2032年にかけて長期的な後退局面、つまり「困難の年」に入るとされています 。  

株式市場の予測(2025年9月以降)

  • 2025年9月~2026年(強気相場の最終局面): この期間は、現在の強気相場の最終段階と位置づけられます。サイクルによれば、市場は「好景気」の頂点に向かっており、楽観的なムードと価格上昇が続く可能性があります 。しかし、これは同時に、投資家が大規模な新規投資を始める時期ではなく、むしろ出口戦略を練り始めたり、利益を確定したりするべき時期であることを示唆しています 。  
  • 2026年(ピーク): チャートは2026年を明確に「好景気の年」と記しており、高値で資産を売却するのに理想的な年としています 。これは、ベナーサイクルが示す最も重要な短期的な予測です。  
  • 2027年~2032年(下降局面): サイクルはここから複数年にわたる「困難の年」へと転換することを示唆しています 。これは、弱気相場、大幅な調整、あるいは長期的な経済停滞と株式市場の低迷を意味します。ベナーの助言に従うならば、この期間は守りを固め、現金を保持し、次の大きな買い場が訪れるのを待つべき時期となります 。  
  • 2032年(底): 次の主要な「困難の年」の底としてマークされており、安値で資産を仕込む次の絶好の機会とされています 。  
  • 2034年と2035年(次のサイクル): その後、サイクルは2034年を次の「好景気」のピーク、そして2035年を「パニックの年」として指し示しています 。  

仮想通貨の予測

ベナーが仮想通貨の存在を知る由もありませんが、彼の感情サイクルというフレームワークは、この現代的な資産クラスにも適用して考えることができます 。仮想通貨は極端なボラティリティと投資家心理への強い依存で知られており、ベナーのサイクルをより増幅した形で示す格好の候補と言えるでしょう 。  

驚くべきことに、ベナーサイクルが予測する2026年のピークは、広く知られているビットコインの4年ごとの半減期サイクルと非常によく一致しています。

多くのアナリストは、2024年の半減期後に始まった現在の強気相場が2025年後半から2026年初頭にかけてピークに達すると予測しており 、これはベナーの「好景気の年」が、仮想通貨市場における「バブル」や「陶酔」の段階、つまり投機的な熱狂が最高潮に達する時期と完全に重なることを意味します 。  

その結果として、予測される2027年から2032年の「困難の年」は、その後の「クリプト・ウィンター(仮想通貨の冬)」、つまり大幅な価格下落と市場の整理統合を特徴とする長期的な弱気相場と一致することになります 。  

金(ゴールド)の予測

ベナーのオリジナルの著作は工業製品に焦点を当てており、金については言及していません 。したがって、ここでの分析は、安全資産であり、逆相関的な資産としての金の役割を解釈することになります。  

  • 2025年~2026年(「好景気の年」): 経済活動が活発で株式市場が陶酔感に包まれるこの予測期間中、資本は通常、よりリスクの高い資産へと向かいます。そのため、投資家が株式や仮想通貨でより高いリターンを追い求める中で、金のパフォーマンスは抑制されるか、あるいは下落する可能性があります 。  
  • 2027年~2032年(「困難の年」): ここでこそ、ポートフォリオの分散先としての金の価値が輝きを放つと予想されます。もしベナーサイクルの予測通りに景気後退や市場のパニックが発生すれば、投資家はリスク資産から逃げ出し、金の持つ「安全」へと避難するでしょう。この「質への逃避」は、景気後退に対抗するための中央銀行による金融緩和(金利引き下げ)と相まって、歴史的に金にとって強気な環境を生み出す傾向があります 。  

これらの予測をまとめることで、投資家は今後10年間の市場の「季節」を大まかに把握することができます。以下の表は、そのロードマップを簡潔に示したものです。

表1:ベナーサイクル投資家ロードマップ(2024年~2035年)

年(期間)ベナーサイクルのフェーズ市場心理戦略的アクション有利な資産
2024–2025「困難の年」から「好景気」へ楽観論の高まりリスク資産の保有・蓄積株式、仮想通貨
2026「好景気の年」(ピーク)陶酔・強欲利益確定・リスク削減現金
2027–2032「困難の年」(下降局面)悲観・恐怖防御的に待機金、債券、現金
2032「困難の年」(底)最大の絶望買い始める株式、不動産
2034「好景気の年」(次のピーク)再び陶酔感利益確定現金
2035「パニックの年」極端な恐怖・変動性買い場の見極め金、現金

第3章 「狂騒の2020年代」 vs. ベナーサイクル:S&P 500は10,000ポイントへ?

ベナーサイクルによれば、2026年以降は景気が厳しい時期に入ると予想されています。一方で、S&P500が10,000〜11,000ポイントに達する可能性があるという、まったく逆の強気な見通しを示す経済学者もいます。

その背景にあるのが、著名な経済学者エド・ヤーデニ氏が提唱する「狂騒の2020年代(Roaring 2020s)」という考え方です。ヤーデニ氏は、2030年までにS&P500が10,000ポイントに到達すると予測しており、強気相場の継続を見込んでいます。

ヤーデニ氏の強気論の根拠(「なぜ」上がるのか)

ヤーデニ氏の予測は、ベナーのようなサイクル理論ではなく、長期的なファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に基づいています。

  • 生産性革命: 彼の議論の核心は、AIやその他の技術革新が、1920年代の電化に匹敵する大規模な生産性向上ブームを生み出しているという点にあります。これが、より高い実質GDP成長、低いインフレ、そして企業利益率の拡大をもたらすと彼は考えています 。  
  • 業績主導の成長: ヤーデニ氏は、今後の強気相場は投機的な株価評価(PERなど)の拡大によってではなく、企業の利益成長によって牽引されると主張しています。彼は、S&P 500構成企業の1株当たり利益が力強く成長し続けると予測しており、それが株価の上昇を正当化すると見ています 。  
  • 強靭な経済と有利な政策: 彼は、米国経済が様々なショックに対して強靭であることを証明してきたと評価しており、さらに減税や規制緩和といった親ビジネス的な政策が企業収益を後押しすると考えています 。  

中心的な矛盾

ここで、明確な矛盾が生じます。ベナーサイクルが2027年から2032年にかけて深刻な弱気相場を予測しているにもかかわらず、どうしてS&P 500は2030年までにほぼ倍増することができるのでしょうか?

この二つの見かけ上対立する予測は、実は両立可能です。市場の動きをより深く理解するためには、長期的なトレンドと短期的なサイクルを区別する必要があります。

市場の長期的な歴史を振り返ると、数十年にわたる大きな上昇トレンド(セキュラー・ブルマーケット)の中に、数年単位の痛みを伴う下落局面(シクリカル・ベアマーケット)が常に含まれていることがわかります 。  

ヤーデニ氏の理論は、生産性の向上と利益成長という、長期的な目的地に関するものです。一方、ベナーサイクルは、その道中で経験するであろう好況と不況のサイクル、つまり感情的・経済的な道のりに関するものです。

この二つを統合すると、より現実的でニュアンスに富んだシナリオが浮かび上がります。

  1. 市場はAIブームなどに乗り、2026年に向けて急騰する。これはヤーデニ氏の理論の初期段階を裏付ける動きです。
  2. その後、ベナーの予測通り、2027年から2032年にかけて景気後退や市場調整が起こり、大幅な下落(例えば30-40%)を経験する。
  3. この周期的な下降局面が終了した後、生産性と利益成長という長期的な根本トレンドが再び力を取り戻し、2032年以降、市場は力強い回復を見せ、最終的に2033年頃までに10,000-11,000ポイントという目標に到達する。

このように考えれば、二つの予測は矛盾するものではなく、互いに補完し合う関係にあると解釈できます。この統合された視点は、投資家に対して、将来の潜在的な上昇余地と、その過程で起こりうる深刻なボラティリティの両方に備えることの重要性を示唆しています。

第4章:驚異的な実績?サイクルを歴史で検証する

ベナーサイクルが現代の投資家を惹きつける最大の理由は、その「不気味なほど正確」と評される過去の実績にあります。この19世紀のチャートが、20世紀から21世紀にかけての主要な金融イベントの多くを予見していたかのように見えるのです。

賞賛される「的中例」の数々

ベナーサイクルの信奉者たちが挙げる成功例は、金融史の教科書をなぞるかのようです。

  • 世界恐慌:1929年のウォール街大暴落とその後の大恐慌は、ベナーサイクルが予測したパニック期とほぼ一致しています 。  
  • ドットコムバブル:1999年から2000年にかけてのITバブルのピークと崩壊も、サイクルの転換点として示唆されていました 。  
  • 世界金融危機:2007年を「好景気の年(売り時)」と示しており、これは2008年のリーマンショックにつながる住宅バブルの頂点と見事に一致します 。  
  • COVID-19ショック:2019年を「パニックの年」と予測しており、これは2020年初頭のコロナショックによる市場暴落の予兆と捉えられています 。  

データが示す有効性

これらの逸話的な成功例だけでなく、統計的な分析もベナーサイクルの有効性をある程度裏付けています。米国の代表的な株価指数であるS&P 500の過去のデータを、ベナーサイクルが示す「好ましい年」と「好ましくない年」に分けて分析した調査があります 。  

その結果は驚くべきものでした。1925年から2023年までの期間において、

  • 「好ましい年」の年間平均リターンは+16.62%で、ボラティリティ(価格変動リスク)は比較的低い水準でした。
  • 「好ましくない年」の年間平均リターンは+7.19%にとどまり、ボラティリティは「好ましい年」のほぼ2倍に達しました。

このデータは、ベナーサイクルが完璧ではないものの、市場のパフォーマンスと統計的に有意な相関関係を持っていたことを示唆しています。

批判的な視点:外れ、欠点、そしてバイアス

しかし、ベナーサイクルを盲信するのは危険です。専門家からは数多くの批判や注意点が指摘されています。

  • 精度の限界:予測は年単位であり、数年のズレが生じることは珍しくありません 。例えば、2016年はチャートの示唆とは裏腹に、投資にとって非常に良い年でした 。また、1965年や1999年の予測も外れたと指摘されています 。  
  • 生存者バイアス:これは、成功した予測モデルだけが注目され、失敗した無数のモデルが忘れ去られるという心理的な偏りです。ベナーサイクルがたまたま上手くいっただけで、他にも多くの忘れられたサイクル理論が存在する可能性を考慮する必要があります 。  
  • 科学的根拠の欠如:このサイクルは、現代の複雑な経済を動かす要因(金融政策、地政学リスク、技術革新など)を無視した、過度に単純化されたモデルであるという批判があります。その周期性の設定も恣意的で、科学的な厳密さに欠けるという意見も根強いです 。  
  • 現代市場の変化:最も重要な批判の一つは、ベナー氏が分析した19世紀の「自由市場」と、現代の市場は根本的に異なるという点です。特に2008年の金融危機以降、世界の中央銀行による大規模な金融緩和策が常態化しました。政府や中央銀行が市場に深く介入する「大きすぎて潰せない(too big to fail)」時代において、かつての自然なサイクルがそのまま機能するとは考えにくいのです 。  

これらの点を踏まえ、ベナーサイクルの過去の実績を客観的に評価するために、以下の表を作成しました。

予測された年ベナーの分類予測内容実際の市場イベント評価
1927-1929年A/Bピーク後のパニック1929年 ウォール街大暴落と世界恐慌的中
1999年Aパニックの年ドットコムバブルのピーク(暴落は2000年)ほぼ的中(タイミングに1年のズレ)
2007年B好景気/売り時住宅バブルのピーク(2008年金融危機へ)的中
2019年Aパニックの年市場の不安定化、2020年COVID-19ショックへ的中
2023年C不景気/買い時2022年の弱気相場後の力強い市場回復的中

結論:現代の投資家は19世紀のツールをどう使うべきか

本稿で見てきたように、ベナーサイクルは2026年のピークとその後の下降局面を予測し、一方でS&P 500には長期的な強気シナリオも存在します。そして、このサイクルには無視できない重大な欠陥があることも明らかになりました。

最終的な結論として、ベナーサイクルを単独で、正確な市場タイミングを計るツールや「確実なもの」として使用すべきではありません 。その予測は数年単位でずれることがあり、重大なイベントを見逃す可能性も十分にあります。  

では、この古めかしいツールに価値はないのでしょうか?いいえ、そうではありません。その真の価値は、戦略的かつ心理的なフレームワークとして活用することにあります 。  

  • 周期性のリマインダーとして: 市場には必ずサイクルがあることを常に思い出させてくれます。「これもまた過ぎ去る」という真理です。極端な強欲の時代は必ず恐怖の時代に取って代わられ、その逆もまた然りです。この考え方は、投資家が市場の頂点で陶酔感に飲み込まれたり、底でパニック売りをしたりするのを防ぐのに役立ちます 。  
  • 精神的なロードマップとして: 将来の市場環境に備えるための思考モデルを提供します。たとえタイミングが不正確であっても、数年間の下降局面が訪れる可能性を認識しておくことで、賢明なリスク管理、ポートフォリオの分散、そして現金の確保といった行動を促します。
  • 時代を超えた知恵の再確認として: その核心において、ベナーサイクルは最も基本的な投資の鉄則を150年前の視点から図解したものです。すなわち、「他人が強欲な時に恐怖を感じ(好景気の年)、他人が恐怖を感じている時に強欲になれ(困難の年)」という教えです。

19世紀の農夫が残した地図は、現代の投資家にとって、市場という広大な地形を理解するための一助となります。

しかし、今日の複雑な金融の世界を安全に航海するためには、それだけに頼るのではなく、ヤーデニ氏のような現代的なファンダメンタルズ分析や、実際の価格動向を追うテクニカル分析といった、最新の航海計器一式を併用することが不可欠です 。

ベナーの知恵を借りて長期的な視野を持ちつつ、現代的なツールで足元を固める。それが、この150年前の地図を最も賢く活用する方法と言えるでしょう。  

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この記事を書いた人

真毅のアバター 真毅 自由人

趣味はカメラ、ランニング、読書。職業はシステムエンジニア。昔はリサーチハウスで企業調査、産業分析を行っていました。目標は投資で稼いでゆっくり生きる。資格はFP2級、証券アナリスト。投資対象は日本株、米国ETF、金、暗号資産、不動産。金融資産と実物資産の両輪で資産形成。

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