怖い？それともチャンス？話題の書籍『暴落大全』に学ぶ、株価下落を利益に変える思考法

はじめに – 「株価下落」のニュース、ドキッとしていませんか？

「日経平均、大幅下落」「世界同時株安」——。テレビやネットでこんなニュースが流れると、思わずドキッとしてしまう。特に、新NISAをきっかけに投資を始めたばかりの方にとっては、大切なお金が減っていくのを見るのは不安でたまらない経験でしょう 。  

「このままもっと下がったらどうしよう…」「今すぐ売った方がいいのかな？」そんな焦りや恐怖を感じるのは、ごく自然なことです。しかし、もしその「恐怖」こそが、最大のチャンスを逃す原因だとしたら？

今回ご紹介するのは、そんな投資初心者の不安を「自信」に変えてくれる一冊、『株の爆益につなげる「暴落大全」』です 。この本は、株価暴落を単なる「危機」ではなく、資産を大きく増やすための「絶好の機会」と捉え直すための、強力なガイドブックです。  

この記事では、投資初心者の方向けに、本書のエッセンスを分かりやすく解説します。暴落に対する考え方が180度変わり、次の下落相場が待ち遠しくなるかもしれません。

この記事を読み終える頃には、暴落のニュースに怯えるのではなく、冷静な準備を始めるための知識と心構えが身についているはずです。

この本の著者は何者？データで暴落を攻略する投資家「はっしゃん」氏とは

この画期的な本を書いたのは、一体どんな人物なのでしょうか。著者の「はっしゃん」氏は、元ITエンジニアという異色の経歴を持つ個人投資家です 。サラリーマン時代に従業員持株会をきっかけに投資を始め、リーマンショックなどの荒波を経験しながらも、30代で資産1億円を達成し「億りり人」となりました 。  

はっしゃん氏の投資手法がユニークなのは、その「エンジニア的思考」にあります。彼はITエンジニアとして培ったプログラミングスキルを駆使し、過去75年分という膨大な株価データを徹底的に整理・検証しました 。感情や勘に頼るのではなく、膨大なデータの中から暴落の「根源的パターン」を導き出したのです。  

投資の世界は、特に暴落時には感情的なパニックが渦巻く混沌とした場所に感じられます。しかし、はっしゃん氏のアプローチは、その混沌とした市場に「論理」と「システム」を持ち込むものです。

エンジニアが複雑なシステムを分析し、バグの原因を特定して堅牢な解決策を構築するように、彼は市場の歴史を分析し、暴落という現象を乗りこなすための再現可能なシステムを構築しました。

この「データに基づいたアプローチ」こそが、初心者が信頼を寄せるべき最大の理由です。彼の言葉は、単なる個人の成功体験ではなく、75年という歴史が証明する客観的な事実に裏打ちされています。だからこそ、彼の教えは、市場の混乱期において投資家を冷静に保ち、正しい判断へと導く羅針盤となるのです。

発想の大転換！「暴落は、年に数回の“株のバーゲンセール”」

本書が提唱する最も重要なメッセージ、それは「暴落は“株のバーゲンセール”である」という考え方です 。普段は高くて手が出せない高級ブランド品が、年に一度のセールで安くなるのと同じように、優良企業の株を格安で手に入れるチャンスが、暴落のタイミングなのです。  

この考え方を裏付ける、非常に興味深いデータがあります。2000年以降、株式市場の暴落は平均して「2年3ヶ月に1回」のペースで起きているというのです 。  

この事実が持つ意味は、非常に大きいものです。多くの初心者にとって、暴落は「何かが壊れた」異常事態であり、予測不可能なパニックの対象です。しかし、このデータは、暴落が「異常」ではなく、市場サイクルに組み込まれた「定期的イベント」であることを示しています。

つまり、暴落は未知の恐怖ではなく、既知の現象なのです。この視点の転換こそが、パニックに陥るか、計画的に行動するかの分水嶺となります。「いつか来るかもしれない危機」に怯えるのではなく、「約2年ごとにやってくるチャンス」に備える。この発想の転換こそが、暴落を利益に変える第一歩なのです。

歴史を振り返れば、ブラックマンデーやリーマンショックなど、数々の大暴落がありましたが、市場は必ずそれを乗り越え、長期的には成長を続けてきました 。

暴落は一時的なしゃがみ込みであり、その後に訪れるより大きなジャンプへの助走期間と捉えることができるのです。本書は、暴落こそが将来の「10倍株」の出発点になり得ると強調しています 。  

『暴落大全』から学ぶ３つの鉄則

では、具体的にどのような心構えで暴落に臨めばよいのでしょうか。本書のエッセンスを、投資初心者が覚えておくべき「3つの鉄則」にまとめてみました。

初心者でも実践可能！暴落を利益に変える「はっしゃん式スロートレード法」

心構えはできても、具体的にどう行動すればいいのか分からない、という方も多いでしょう。本書では、初心者でも実践可能な暴落時の投資法として「はっしゃん式スロートレード法」が紹介されています 。これは、以下の4つのシンプルなステップで構成されています。  

この手法は、毎日株価をチェックする必要がなく、本業で忙しい方でも無理なく続けられる長期投資スタイルです 。それぞれのステップを、初心者向けのポイントを交えながら見ていきましょう。  

「はっしゃん式スロートレード」初心者向けかんたんガイド

この4つのステップを、より分かりやすく表にまとめました。この表を保存しておけば、いざという時に冷静に行動するための「虎の巻」になります。

ステップ (Step)	やること (What to Do)	初心者向けポイント (Tip for Beginners)
1. 買い (Buy)	暴落で安くなった優良企業の株を買う。	自分がよく知っている、応援したい会社の株から考えましょう。「ずっと欲しかったあの会社の株」が安く手に入るチャンスです 。
2. 長期保有 (Hold)	短期的な値動きに惑わされず、数年単位で保有する。	一度買ったら、毎日株価をチェックするのはやめましょう。企業の成長をじっくり待つのがコツです 。
3. 損切り (Loss-Cut)	もし自分の判断が間違っていた場合、事前に決めたルールで売却する。	「購入価格から10%下がったら機械的に売る」など、感情を挟まないシンプルなルールを決めておくと、大きな失敗を防げます 。
4. 利益確定 (Profit-Take)	株価が十分に成長したら、計画的に利益を確定させる。	「株価が2倍になったら半分売る」など、こちらも事前に目標を決めておくと、売るタイミングに迷いにくくなります。

特に重要なのがステップ3の「損切り」です。これは、自分の投資判断が間違っていた場合に、損失の拡大を防ぐための保険のようなものです。感情に流されず、「ルールだから売る」と機械的に実行することが、長く投資を続けていく上で不可欠なスキルです 。  

結論：暴落の歴史から学び、未来の資産を育てる準備をしよう

『株の爆益につなげる「暴落大全」』が教えてくれるのは、単なる投資テクニックではありません。それは、75年間の歴史的データに裏打ちされた、「暴落との賢い付き合い方」です。

この記事で学んだことをまとめましょう。

株価の暴落は、今後も必ず訪れます。それは「もし」ではなく「いつ」の問題です。しかし、本書で得た知識があれば、その時あなたはもう無力な初心者ではありません。

暴落の歴史から学び、そのパターンを理解し、具体的な行動計画を持つ「準備のできた投資家」になっているはずです。

未来の暴落を不安に思うのではなく、未来の資産を育てる絶好の機会と捉える。この力強い視点こそが、本書が私たちに与えてくれる最大の贈り物です。

次の「バーゲンセール」に万全の態勢で備えるために、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。