米国の経済指標の中でも特に重要なものの一つが、消費者物価指数(CPI)です。
CPIは、都市部の消費者が購入する代表的な商品やサービスの価格変動を追跡する指標であり、インフレーションの動向を測るために用いられます。
この指標は、食品やエネルギー、住居費用などの主要なカテゴリを含み、経済政策や投資判断に大きな影響を与えます。
最新の米国消費者物価指数(CPI)のデータが発表されたので詳しく見ていきましょう。
消費者物価指数(CPI)
2024年7月の消費者物価指数(CPI)は、前月比で0.2%の増加を記録しました。これは、6月に0.1%減少した後の反発となり、過去12ヶ月間で見た場合には2.9%の上昇となりました。
今回の物価上昇の主な要因は、住宅コストの上昇です。住宅に関連する指数は7月に0.4%上昇し、全体の増加分の約90%を占めています。この住宅コストの上昇は、家賃が0.5%、持ち家の賃料相当額が0.4%増加したことが影響しています。
エネルギー価格は7月に変化がなく、ガソリン価格も横ばいでした。しかし、季節調整前のデータではガソリン価格が0.8%上昇しており、電力価格は0.1%、燃料油価格は0.9%の小幅な上昇を見せています。
一方で、天然ガスの価格は0.7%減少しました。過去12ヶ月間では、エネルギー全体の価格は1.1%増加しましたが、ガソリン価格は2.2%減少し、電力価格は4.9%増加しています。
食品に関しては、全体で0.2%の価格上昇が見られました。特に、家庭用食品の中で卵や果物・野菜の価格が大きく上昇し、卵は5.5%、果物・野菜は0.8%上昇しました。
しかし、その他の食品、例えばシリアルやパン類、乳製品の価格はそれぞれ0.5%、0.2%減少しています。外食の価格もわずかに上昇しており、7月は0.2%の増加を記録しました。
食品とエネルギーを除く全商品指数では、7月に0.2%の上昇が見られました。この増加は、住宅コストの上昇に加えて、自動車保険、家庭用品、教育、娯楽、個人ケアなどの価格上昇が影響しています。
特に自動車保険は1.2%の上昇を記録し、6月の0.9%増加からさらに上昇しました。しかし、同時に、中古車やトラック、医療、航空運賃、衣料品、新車の価格は下落しています。
全体として、2024年7月のCPIデータは、物価上昇が緩やかであることを示していますが、特定のカテゴリー、特に住宅や自動車保険などでは顕著な価格上昇が見られます。これらの動向は、消費者の生活費に影響を与える重要な要素となり続けるでしょう。
CPI
- 前月比:0.2%(予想:0.2%) 前回:-0.1%
- 前年比:2.9%(予想:3.0%) 前回:3.0%
カテゴリー別
- エネルギー(前月比)0.0% 前回:-2.0%
- 食品飲料 (前月比)0.2% 前回:0.2%
- サービス (前月比)0.3% 前回:0.1%
- 居住費 (前月比)0.4% 前回:0.2%
CPIコア指数
- コア前月比:0.2%(予想:0.2%) 前回:0.1%
- コア前年比:3.2%(予想:3.2%) 前回:3.3%
CPIは低下傾向が続いており、3年半ぶりに前年比2.0%台に到達しました。ようやくって感じです。
一時的かもしれませんが昨年の11月から上昇していたPPIも今月は下落しましたし、インフレ鈍化が目に見えて感じられました。
8月の雇用統計、CPIの発表が残っていますが、今のままなら確実に9月18日のFOMCでは利下げしますね。
消費者物価指数(CPI)グラフ
前年同期比をグラフにするとこのようになります。
横ばいだったCPIも下落傾向になっています。コアCPIの下落が続いている影響ですね。
住宅価格がまだ高止まりしていますが、遅行指数なので遅れて下がると考えています。
Febウォッチ
Febウォッチは予想を下回るCPIを受けて9月利下げの確率が100%です。
株式市場が混乱していた8月5日あたりは0.5%の利下げを実施するとの予想でしたが、落ち着きを取り戻した現在は0.25%の利下げ予想で落ち着いています。
ただ、11月の利下げは更に0.5%の利下げ予想なんですよね~
市場は米国の景気後退を折り込み始めている気がします。
利下げでしばらくは株価が上がるかもしれませんが、企業業績が冷え込み始める来年の初め頃からは下落傾向になるかもしれませんね~
CPI発表後
前回の雇用統計後
1971年7月からの比較
最後に1971年7月からの比較を乗せておきます。
見る限り、1970年代も2年ぐらいはインフレを抑え込めてるんですよね。
もし同じ道をたどるならインフレが再燃するのは来年か再来年ですかね。
完全に1970年と乖離があるまで表示しておこうと思います。
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