半導体、弱気相場入りの夜──それでも9発の配当は鳴り止まなかった【W29週次レポート】

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7月中旬、船橋のマンションはエアコンをつけても寝苦しい夜が続いています。日付が変わった頃、私はリビングの床にあぐらをかいて、ストロングゼロのロング缶を開けました。

プシュッという音だけが、静まり返った部屋に響きます。缶の側面には、もう汗のような水滴が浮いていました。

証券アプリを立ち上げた指が、途中で止まりました。画面が、上から下まで赤一色だったからです。人体実験を名乗りながら、私はいったい何をやっているんだ。

そんな声が頭の奥で響きました。フィラデルフィア半導体株指数が6月の高値から2割超も崩れ、弱気相場入りしたというニュースが流れていました。

中国のAI新興企業が高性能モデルを発表し、それが引き金になって米ハイテク株が総崩れになったのだと言います。

ついこの前まで「史上最高値の祭り」を書いていたのに、もう次の谷の底が見えません。

それでも缶を半分ほど飲んだところで、私は妙なことに気づきました。含み損の赤が広がる横で、配当の着弾通知だけは今週も9件、静かに積み上がっていたのです。

相場が荒れれば荒れるほど、カバードコールの本当の実力が試される。酔いの回った頭の隅で、そんな仮説が輪郭を持ち始めました。今週はこの仮説を、感情ではなく数字で検証していきます。

目次

半導体の断末魔と、9発の入金音──今週の魂の叫び

今週、赤い画面を睨みながら魂に刻んだのは3点です。

  1. 半導体の弱気相場入りで、AI・半導体連動のカバードコールETF勢が総崩れになりました。CEPIが週間騰落率-4.91pp、AIPIが-4.67pp、FEPIが-4.39ppと、下位はハイテク系が独占です。
  2. それでも配当は9発・4.78ドル(892円)が着弾しました。含み損を広げた張本人の銘柄ほど、同じ週に律儀に現金を運んできたのです。累計配当は元本比+10.11%まで積み上がりました。
  3. 円建てトータルリターンは+1.69%(+5,257円)でプラス圏を死守しました。ドル建て評価損益は-11.12%まで沈みましたが、累計配当と円安がその傷をほぼ相殺しています。

半導体、弱気相場入り──軋み始めた相関構造

半導体、弱気相場入り──軋み始めた相関構造

今週の市場レジームは、拡大局面の看板の裏で不穏な軋みが出始めた1週間でした。

まず定点観測から。RORO指数(リスクオン・リスクオフの傾きを測る指数)は54.4で、判定はニュートラルです。

4象限レジーム判定はExpansion(拡大局面)で、直近90日の分布はExpansion90.8%・Recovery9.2%と、まだ拡大局面が優勢でした。市場局面カード側のラベルも「通常局面」のままで、S&P500の直近4週騰落は+1.2%とプラス圏を保っています。看板だけを見れば、平穏そのものです。

しかし週間の主要指数は、はっきりと下を向きました。

指標前週終値(7/10)当週終値(7/17)週間騰落率
S&P5007,575.397,457.69-1.55%
NASDAQ総合26,281.6125,520.24-2.90%
NASDAQ10029,825.1128,592.66-4.13%
NYダウ平均52,637.0152,146.42-0.93%
日経平均68,557.7364,141.12-6.44%
ビットコイン(BTC/USD)64,162.0ドル63,968.0ドル-0.30%
米10年債利回り4.560%4.545%-0.015pt
金(ゴールド)4,113.704,018.80-2.31%
ドル円161.70円162.39円+0.43%(円安)

今週最大の材料は、S&P500・NASDAQが続落し、半導体株が弱気相場入りしたことです。フィラデルフィア半導体株指数は6月高値から20%超下落したと報じられました。

AI投資の正当化が難しくなっているという懸念に、中国AI新興企業Moonshot AIの高性能モデル発表が追い打ちをかけた格好です。

NASDAQ100は週間-4.13%と主要指数の中で最も深く沈み、私のAI・半導体連動勢の下落と歩調を合わせました。

日経平均も-6.44%と大きく崩れ、米国・イラン間の緊張再エスカレーションがリスク回避を後押ししたと報じられています(いずれも二次情報のため、一次情報での再確認を要します)。

一方、金利側は不気味なほど静かでした。米10年債利回りは4.560%から4.545%へわずかに低下しただけです。

FRBのウォラー理事は7月13日の講演「Monetary Policy at a Crossroads」で、コアインフレの上昇基調に懸念を示しました。2021年の対応遅れを繰り返さないため、データ次第で近期的な引き締めが必要になり得ると示唆しています。

ただし労働市場は2022年ほど逼迫しておらず、インフレ期待も概ね固定されているとして、現状維持も正当化されるとの見解を併記しました。株安と地政学リスクが同時進行する裏で、FRBは方向感を明確にしていません(FRBのバランスシート確認方法も参考にしてみてください)。

市場は7月FOMC(7/28-29)の利上げ確率を五分五分と織り込む動きも見せており(未確認情報)、綱引きの構図が続いています。

そして今週いちばん引っかかったのが、intermarket週報の相関アラートでした。S&P500とハイイールド社債スプレッド(BAMLH0A0HYM2)の相関が、z=3.40まで急上昇していたのです。

ハイイールド社債スプレッドとは、信用力の低い社債が国債に対してどれだけ高い金利を要求されているかを示す指標で、クレジット市場の警戒度を映す体温計です。

NASDAQ・ダウとハイイールドスプレッドの相関もz=3.1台と同方向に振れました。株安局面でクレジット市場の警戒感が指数横断で連動して高まっている兆候であり、私の目には「株だけの調整」では済まない可能性のシグナルに映ります。

さらにADP雇用者数と失業保険継続受給者数の相関がz=-4.80まで急低下し、労働市場指標同士の関係にも歪みが出ていました。

レジームの看板が「拡大局面・通常局面」と表示するより先に、相関の構造の方が軋み始めている。これが今週のマクロの実像だと見ています。

データソース: jp.investing.com(各指数・為替・金利・商品) / Bloomberg(半導体弱気相場・イラン情勢) / Yahoo Finance(市況) / FRB(ウォラー理事講演) / Bloomberg(FOMC織り込み)

暴落の夜に届いた9発──配当着弾記録

暴落の夜に届いた9発──配当着弾記録
着弾日ティッカー受取額(ドル)受取額(円)魂の叫び
2026-07-13AIPI(AI関連株カバードコールETF)0.73118暴れ馬、荒れても週次は律儀
2026-07-13CEPI(暗号資産関連株カバードコールETF)0.97157混沌の覇者、今週最大額の意地
2026-07-13FEPI(ハイテク大手カバードコールETF)0.4573三悪魔、控えめな義理立て
2026-07-13ULTY(高ボラ銘柄群オプションETF)0.74120吐血しながらの120円
2026-07-14NVDY(エヌビディア単一株オプションETF)0.64104主役、傷だらけでも入金は止めず
2026-07-15NVYY(エヌビディア・プット売り活用ETF)0.5386含み損の主犯、それでも86円
2026-07-15TQQY(TQQQ・3倍レバレッジオプションETF)0.4980死神、今週も80円の施し
2026-07-15YSPY(S&P500オプションETF)0.2338偽りの安全、小銭ながら参戦
2026-07-172865(東証上場・NASDAQ100カバードコールETF・カバー率100%)116守備の番人、月次の116円
合計4.78ドル892円

半導体株が弱気相場入りするほど荒れた1週間でも、配当の入金は9発で止まりませんでした。先週(W28)の10発・1,178円からは件数も金額も減っていますが、これは支払銘柄の入れ替わりカレンダーによるもので、慌てる数字ではありません。

むしろ目を凝らすべきは中身の方です。AIPI・CEPI・FEPI・ULTYと、今週ランキング下位に沈んだ銘柄たちが、価格を下げながらも配当だけはきっちり届けてきたのです。

とりわけCEPIの157円は、今回の着弾記録の最大額でした。含み損を広げた張本人が、同じ週にいちばん多くの現金を運んでくる。この逆説こそ、カバードコール戦略の骨格そのものだと感じます。

株価が下がる痛みと、配当が入る安心が、同じ銘柄の同じ週に同居していました(過去にも利回り100%の劇薬ポートフォリオが10日で「死の淵」から生還したことがあり、配当の積み上げが下値を支える展開は今回が初めてではありません)。

逆説の首位はDOGG──銘柄別損益率ランキング

逆説の首位はDOGG──銘柄別損益率ランキング
順位ティッカー先週損益率今週損益率週間騰落率魂の叫び
1DOGG(ダウの犬戦略ETF)+4.09%+4.86%+0.77pp孤軍奮闘、唯一のプラス改善
2TLTX(米国長期国債カバードコールETF)-5.46%-5.29%+0.17pp金利の刃、今週は矛先緩む
3YSPY(S&P500オプションETF)-19.71%-19.80%-0.09pp偽りの安全、ほぼ横ばいの後退
4453A(米国債20年超プレミアムインカムETF・東証上場)+1.29%+0.96%-0.33pp国債使い、静かな後退
5NVYY(エヌビディア・プット売り活用ETF)-33.45%-34.68%-1.23pp含み損の主犯、傷が深まる
6IGLD(金価格連動カバードコールETF)-17.86%-19.50%-1.64pp金の盾、リスクオフでもまさかの後退
72865(NASDAQ100カバードコールETF・東証上場)+3.77%+1.68%-2.09pp守備の番人、盾が薄れる
8TQQY(TQQQ・3倍レバレッジオプションETF)-20.49%-22.78%-2.28pp3倍レバの死神、牙を剥く
9NVDY(エヌビディア単一株オプションETF)-12.91%-15.57%-2.66pp主役、半導体安の直撃
10563A(NASDAQ100日次カバードコールETF・カバー率約10%・東証上場)+6.24%+3.51%-2.73pp国産新型兵器、初の逆風
11JEPQ(ナスダック100連動・ELN活用型プレミアムインカムETF)+8.17%+4.59%-3.58pp前座、まさかの失速
12ULTY(高ボラ銘柄群オプションETF)-26.93%-30.83%-3.90pp吐血銘柄、出血止まらず
13QQQI(NASDAQ100オプション連動高配当ETF)+3.91%-0.06%-3.96pp安定感担当、プラス圏から陥落
14FEPI(ハイテク大手カバードコールETF)-8.22%-12.60%-4.39pp三悪魔、劇薬が牙を剥く
15AIPI(AI関連株カバードコールETF)-9.81%-14.49%-4.67pp暴れ馬、下落速度も一級品
16CEPI(暗号資産関連株カバードコールETF)-6.17%-11.08%-4.91pp混沌の覇者、今週最大の返り血

首位はDOGGの+0.77ppでした。16銘柄のうち週間騰落率がプラスに改善したのは、DOGGとTLTXのわずか2銘柄だけです。DOGGはダウの犬戦略(高配当・低ボラのダウ構成銘柄に投資する伝統的手法)を採る低危険度銘柄で、ハイテク・半導体の荒波から一歩引いた立ち位置が今週は奏功しました。

2位のTLTXも米長期国債カバードコールで、10年債利回りがわずかに低下したことが追い風です。金利という刃に日頃さらされる守護者が、今週だけは矛先を緩められた格好でした。

対照的に、下位はAI・半導体・暗号資産の連動勢がそのまま並びました。CEPI(-4.91pp)・AIPI(-4.67pp)・FEPI(-4.39pp)・QQQI(-3.96pp)・ULTY(-3.90pp)と、下位5銘柄はすべてハイテク・NASDAQ100系です。

NASDAQ100本体の週間-4.13%と同水準か、それ以上の傷を負っています。特にQQQIは先週+3.91%のプラス圏から今週-0.06%へ転落しました。「意地のハイテク」と評してきた安定感担当まで飲み込むほど、今週の半導体ショックは根が深かったということです。

国内上場の563A(-2.73pp)も初めて明確な逆風を受け、先週まで好調だった円建て勢にまで波及が及んだ1週間でした。

さて、ここからが本題です。魂の叫びも銘柄別の血みどろも並べ終わったところで、いよいよポートフォリオ全体の通信簿を開きます。正直、開く指が少し震えました。

血の決算報告──W29 ポートフォリオ全景

血の決算報告──W29 ポートフォリオ全景
項目金額(ドル)金額(円・為替込み)
投資元本1,967.13ドル310,206円
株式時価総額合計1,748.47ドル283,909円
株式評価損益合計-218.66ドル-26,297円
株式評価損益率-11.12%-8.48%
累計配当金総額+198.94ドル(元本比+10.11%)+31,554円
トータルリターン-19.72ドル+5,257円
トータルリターン率-1.00%+1.69%

※太字=円建て(為替込み)の数値。読者が実際に体感する損益に近いため強調しています。※為替レート:1ドル=162.38円(基準日2026年7月17日終値)

円建て(為替込み)のトータルリターンは+1.69%(+5,257円)でした。実際に支払った元本310,206円に対し、株式評価損-26,297円と累計配当金31,554円を合算した実態の損益が+5,257円です。半導体株の弱気相場入りという逆風の中でも、円建てはプラス圏を死守できました。

一方、ドル建てで見ると景色は一変します。評価損益率は-11.12%まで悪化し、トータルリターン率もついに-1.00%とマイナスに転じました。為替を除いた純粋な運用成績は、今週マイナスに沈んだということです。

それでも円建てがプラスを保てたのは、累計配当金198.94ドル(元本比+10.11%)と、ドル円が162.38円まで円安に振れた為替差益の2つが、株式評価損-11.12%をほぼ相殺したからにほかなりません。

株式評価損益率-11.12%と累計配当回収率+10.11%は、絶対値でほぼ拮抗しています。含み損を配当が飲み込む構図が、今週も辛うじて維持されていました(関連:【人柱の実験】カバードコールETF16銘柄、評価損-6%でも累計配当が含み損を喰い破る瞬間)。

ただし、この均衡はぎりぎりです。来週さらに半導体株の下落が続けば、配当の防波堤だけでは支えきれなくなる可能性も、正直に直視しておく必要があります。

ボラティリティは友か敵か──オプションプレミアムの逆説

ボラティリティは友か敵か──オプションプレミアムの逆説

結論から言います。今週の半導体弱気相場入りという逆風の中で、私のカバードコールETF群が円建てトータルリターンをプラス圏に踏みとどまらせたのは、偶然ではありません。

カバードコール戦略の収益源であるオプションプレミアムは、相場が荒れてボラティリティ(価格変動の激しさ)が高まるほど厚くなるという、この戦略特有の性質が働いたからだと考えています。

理由を説明します。カバードコールETFは、保有する株に対してコールオプション(一定価格で買う権利)を売り、その対価としてプレミアムを受け取ります。

このプレミアムの金額を左右する要因の1つが、インプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の値動きの激しさ)です。金融工学のオプション価格理論では、ボラティリティが高いほどオプションの理論価格は高くなります。

具体例で確認します。今週、株式評価損益率は-11.12%まで悪化しましたが、累計配当回収率は+10.11%とほぼ同水準まで積み上がっていました。評価損の絶対値と配当収益の絶対値が拮抗するという、まさに理論通りの構図です。

個別に見ても、今週ランキング最下位のCEPIは損益率を-11.08%まで悪化させながら、同じ週に157円という今回最大額の配当を届けました。AIPI・FEPIも同様に、価格の下落幅と配当の律儀さが同居しています。

ボラティリティが高い銘柄ほど、平時から相対的に厚いプレミアム収入を積み上げやすい。今週の配当着弾記録は、その設計思想を体現していました。

ただし、CMAとして限界も3つ明記しておきます。第一に、今週の配当総額892円は先週の1,178円より減っています。プレミアム理論はあくまで「オプション売却時点の理論価格」の話であり、週ごとの現金着弾額は支払銘柄のカレンダーやロールのタイミングにも左右されます。

単純に「荒れた週ほど配当が増える」とは言い切れません。ボラティリティ上昇の恩恵が実際の分配金に反映されるのは、次回以降のロールサイクルを待つ必要があります。第二に、プレミアムがどれだけ厚くなっても、株価そのものの下落は防げません。

評価損益率-11.12%という数字は現実であり、配当が相殺しているのは会計上のトータルリターンであって、含み損そのものが消えたわけではありません。第三に、カバードコールは上昇局面で利益に天井ができる構造でもあります。

厚いプレミアムを受け取れた代償として、相場が反発したときの回復スピードは指数に劣後しやすい。これまで繰り返し指摘してきた限界も、変わらず残っています。それでも、暴落局面での耐性という一点において、今週のデータは戦略の設計思想を確かに裏付けていました。

将来の値動きが荒いほど、オプションを買う側は高い対価を払ってでもリスクをヘッジしたがるためです。つまり相場が静かな週よりも、半導体株が弱気相場入りするような荒れた週の方が、同じ株を対象にしたコールでも、より高いプレミアムで売却できる可能性が高いのです。

株価そのものは下落して評価損を広げますが、その裏側でオプションの売り手が受け取る現金収入は、理論上むしろ厚みを増します。下落の痛みと収入の増加が、同じ荒れ相場の中で同時に発生する。これがカバードコールの「逆説的耐性」の正体です。

結論

結論

聞いてください!!

フィラデルフィア半導体株指数が弱気相場入りし、AI・半導体連動のETFが軒並み二桁のマイナスを深めるニュースを見て、狼狽しかけたあなた。その気持ち、痛いほど分かります。私も深夜、赤い数字を睨みながらストロングゼロの缶を握りしめていました。ドル建て評価損益は-11.12%、ついに二桁の後半まで沈みました。

でも、思い出してください。この暴落こそ、カバードコール戦略が本領を発揮する舞台です。相場が荒れれば荒れるほど、オプションプレミアムは理論上その厚みを増します。今週、株式評価損益率-11.12%とほぼ同水準まで積み上がった累計配当回収率+10.11%が、その理屈を数字で裏付けました。

円建てトータルリターンは+1.69%(+5,257円)。半導体の弱気相場入りという逆風下でも、プラス圏を死守できたのです。狼狽売りとは、この戦略がいちばん実力を発揮する局面で、自ら舞台を降りてしまういちばんもったいない選択にほかなりません。

7月28日から29日のFOMCまで、まだ材料は出そろっていません。ウォラー理事の発言も、方向感を確定させるものではありませんでした。相関構造は軋み始め、この先さらに荒れる可能性も、私は否定しません。それでもあなたに伝えたいのは、たった1つです。

相場が荒れる夜こそ、淡々と配当の着弾を数えながら保有を続けること。それが、この戦略と付き合う唯一の作法です。焼け石に水に見える892円も、積み上がれば元本の1割を超える現実になります。

次のFOMCまで、私はグラスを傾けながら、この人体実験を淡々と続けます。あなたも、赤い数字に飲み込まれないでください。人体実験は、まだ続く。

よくある質問(FAQ)

Q1. カバードコールETFは株価下落時にどのような仕組みで配当金を出し続けられるのですか。

カバードコールETFは、株価下落時でも配当金を出し続ける仕組みとして、主に「オプションプレミアム」の獲得を利用しています。

具体的には以下の通りです。

  • カバードコール戦略の採用:カバードコールETFは、保有する株式(または株価指数)に対してコールオプションを売却する「カバードコール戦略」を用いています。
  • オプションプレミアムの獲得:コールオプションを売却することで、その対価として「オプションプレミアム」を受け取ります。このオプションプレミアムは、株価の変動に関わらず、オプションを売却した時点で確定的に得られる収益源となります。
  • 配当金の原資:このオプションプレミアムが、ETFの収益分配金(配当金)の主な原資の一つとなります。そのため、株価が下落しても、オプションプレミアムの獲得が継続していれば、配当金を出し続けることが可能になります。
  • 株価下落時の影響:ただし、株価が下落した場合、保有する株式の評価額は減少します。カバードコール戦略では、株価が上昇した場合の値上がり益は限定される一方で、株価下落による損失は発生します。そのため、株価下落が続くと、オプションプレミアムで得られる収益だけでは、元本の減少を補いきれない可能性もあります。

このように、カバードコールETFは、株価の変動にかかわらずオプションプレミアムを継続的に獲得することで、株価下落時でも配当金を出し続ける仕組みを持っています。ただし、株価下落による元本毀損のリスクは存在します。

出典:– グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF (563A) – 簡易目論見書- グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF (2865) – 簡易目論見書- ポートフォリオ銘柄マスター

Q2. ドル建てで大きな含み損が出ているのに、なぜトータルリターンがプラスを維持できているのですか。

ドル建てで大きな含み損が出ているにもかかわらず、トータルリターンがプラスを維持できるのは、主に以下の要因が考えられます。

  • 配当金や分配金の再投資効果: トータルリターンは、期間開始時の純資産価値で初期投資を行い、期間中のすべての分配金を純資産価値で再投資し、期間最終日の純資産価値で償還したと仮定して計算されます。つまり、株価の下落による含み損があったとしても、受け取った配当金や分配金を再投資することで、全体のリターンが押し上げられる可能性があります。

  • 純投資収益の存在: 投資運用からの収益として、純投資収益(Net investment income)が存在します。これは、保有資産から得られる利息や配当金などから費用を差し引いたものです。たとえ評価損が出ていても、この純投資収益がプラスであれば、トータルリターンに貢献します。

  • 期間中の価格変動: トータルリターンは、特定の期間における投資の収益率を示します。期間の途中で一時的に含み損が出ていたとしても、期間終了時点での純資産価値が期間開始時よりも高ければ、トータルリターンはプラスになります。

  • 実現損益と未実現損益のバランス: 投資運用からの収益には、純投資収益の他に、実現損益および未実現損益(Net realized and unrealized gain (loss))が含まれます。ドル建てで含み損が出ているのは未実現損益の一部かもしれませんが、他の投資からの実現益や、未実現損益全体でのプラスがあれば、トータルリターンはプラスになる可能性があります。

これらの要因が複合的に作用することで、ドル建てで含み損が出ていても、トータルリターンがプラスを維持することがあります。

出典:– FT Cboe Vest DJIA Dogs 10 Target Income ETF (DOGG) – Prospectus

Q3. カバードコールETFは、株価が下落して含み損が増えている局面でも、分配金の額を維持または増やすことができる仕組みになっているのでしょうか。

カバードコールETFは、株価が下落して含み損が増えている局面でも、分配金の額を維持または増やすことができる仕組みにはなっていません。

カバードコール戦略では、オプションプレミアムを受け取ることで、原資産の価格下落による影響を部分的に相殺できますが、原資産の価格が下落した場合の損失リスクは完全に免れるわけではありません。

オプションプレミアムは、オプション売却時の株価指数水準、権利行使価格、株価指数変動率(ボラティリティ)、満期日までの期間、金利水準、配当金額、需給などによって変動します。

カバードコールETFの分配金は、ファンドの収入と利益から支払われますが、十分な投資収入がない場合、分配金の一部または全部が元本払戻金(Return of Capital)となることがあります。元本払戻金は、ファンドの投資活動によって生じた収入や利益ではないため、投資家はこれを収入と解釈すべきではありません。

また、ファンドは、より安定した分配金水準を維持するために、特定の期間に得られた純投資収益の全額を支払わない場合や、他の期間に得られた未分配の累積収益を支払う場合があります。

「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF (2865)」の分配金推移を見ると、2025年4月から2026年3月にかけて、900円、800円、1,100円など、月によって分配金額が変動していることがわかります。これは、株価の変動やオプションプレミアムの変動などが分配金に影響を与えている可能性を示唆しています。

したがって、株価が下落して含み損が増えている局面であっても、カバードコールETFが分配金の額を維持または増やすことができるとは限りません。

出典:– グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF (2865) – 簡易目論見書- グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF (563A) – 簡易目論見書- FT Cboe Vest DJIA Dogs 10 Target Income ETF (DOGG) – Prospectus- FT Cboe Vest Gold Strategy Target Income ETF (IGLD) – Prospectus- REX Crypto Equity Premium Income ETF (CEPI) – Prospectus- NEOS Nasdaq-100 High Income ETF (QQQI) – Prospectus


⚠️ リスク開示・免責事項(重要)本記事は筆者個人の投資運用記録であり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。本記事で取り上げるカバードコールETF(国内・海外を含む)は、基準価額(NAV)の下落により投資元本を下回るリスクがあります。

分配金(配当)は保証されておらず、減額・停止されることがあります。為替変動リスク、発行体の信用リスクも存在します。投資判断はご自身の責任で行い、目論見書・ファクトシート等を必ずご確認ください。

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真毅のアバター 真毅 自由人

趣味はカメラ、ランニング、読書。職業はシステムエンジニア。昔はリサーチハウスで企業調査、産業分析を行っていました。目標は投資で稼いでゆっくり生きる。資格はFP2級、証券アナリスト。投資対象は日本株、米国ETF、金、暗号資産、不動産。金融資産と実物資産の両輪で資産形成。

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