今、あなたは「働く」という言葉にどんなイメージを持っていますか?毎日長時間労働に追われ、週末だけが唯一の楽しみという生活でしょうか?もしかすると、大手企業での安定を求め、出世のために労働を重ねる日々かもしれません。
しかし、そんな古い働き方は、もう終わりにしましょう!新しい時代の働き方は、もっと自由で効率的。若い時から資産を築き、時間を最大限に活用する方法があるのです。
古いビジネスモデルは、「時間売り」が基本でした。成功者でも数億円程度の資産しか手に入らず、それも晩年にやっとという現実。しかし、新しい働き方では、効率よく財産を作り、働き方の自由を広げることが可能です。
その鍵となるのが「株式」です。2023年の世界の長者番付トップ10は、すべて保有株式の評価額で富豪となっています。株式を活用すれば、資産形成の速度が格段に上がります。
では、具体的にどうすればよいのでしょうか?まずは、自分で起業すること。他者の起業に早い段階で参加すること。自社株やストックオプションで報酬を得る会社で働くこと。そして、起業の初期段階で出資すること。この4つの方法が、新しい時代の働き方の核心です。
さらに、お金を効率よく増やすための基本として、生活費の3~6カ月分を普通預金口座に取り置き、それ以外を全世界株式のインデックスファンドに投資することが推奨されます。これにより、長期的に見て平均年率5~6%の利益を得ることが可能です。
新しい時代の働き方は、あなたの人生を劇的に変える可能性を秘めています。今すぐ、その秘密を解き明かし、あなたも新しい働き方を始めてみませんか?

著者
山崎元(やまざき はじめ)は、経済評論家です。1958年、北海道で生まれ、東京大学経済学部を卒業後、三菱商事に入社しました。その後、野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経験しました。
現在はコンサルタントとして資産運用分野を専門に活動し、経済解説や資産運用を中心にメディア出演や執筆、講演会など多数行っています。ズバリと辛口の経済解説やマネーコラムで人気を集めています。
著書には『リスクとリターンで考えると、人生はシンプルになる!』(ダイヤモンド社)、『ほったらかし投資術』、『超簡単お金の運用術』(以上、朝日新聞出版)、『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文響社)など、多くのベストセラーがあります。
要点
- 古い働き方の欠点: 従来の働き方は「時間売り」のビジネスモデルであり、成功しても数億円程度の資産しか得られず、不自由な職業人生を送ることになる。
- 新しい働き方の特徴: 「時間の切り売り」では達成できない効率性を求めて若い時点で効率良く財産を作ることと、働き方の自由の範囲を拡大することが重要である。
- 株式を活用する方法: 株式で稼ぐための4つの方法として、自分で起業すること、他者の起業に早い段階で参加すること、自社株やストックオプションで報酬を得る会社で働くこと、起業の初期段階で出資することが挙げられている。
- お金を増やすための基本: 生活費の3~6カ月分を普通預金口座に取り置き、それ以外を全世界株式のインデックスファンドに投資することで、効率的にお金を増やすことができる。
- リスクの理解と適切な投資: 経済格差はリスクの許容度によって生まれ、株式投資や起業に身を置くことでリスクを取り、経済力を得ることが重要である。また、サンクコストを気にせず、将来に集中することが大切である。
新しい時代の働き方とは?
時代遅れの働き方の落とし穴
本文: 「安定した職を得て、出世し、労働を高くかつ長く売る」。これは、古い世代の働き方の常識でした。大手企業での出世、医師や弁護士のような高単価の職業——確かに一見安定しているように見えます。しかし、これは結局「時間売り」のビジネスモデルに過ぎません。成功者が手にするのは、多くても数億円程度の資産。それも、ほとんどが晩年になってからです。
このような古い働き方に従えば、不自由な職業人生を送ることになります。大金持ちになる確率は低く、ぼんやり生きているとチャンスを失うだけ。つまり、「割が悪い」働き方なのです。
未来を拓く新しい働き方
本文: では、新しい働き方とは何でしょうか?その鍵は、「時間の切り売りでは達成できない効率性を求め、若い時点で効率よく財産を築くこと」と「働き方の自由の範囲を拡大すること」にあります。これを実現するためには、常に適度なリスクを取り、他人と異なることをしようと工夫するマインドが重要です。
具体的な手段として挙げられるのが、「株式とうまく関わること」です。2023年の『Forbes』長者番付のトップ10は、すべて保有株式の評価額によって富豪となった人物たちです。株式は資産形成を高速化させる強力なツール。上手に関わり、その潜在力を活用することが、新しい時代の働き方の核心なのです。
株式で稼ぐ4つの革命的アプローチ
本文: 株式で稼ぐと言っても、ただの株式運用でお金を「増やす」だけではありません。株式や株式に連動した形で報酬を得て「稼ぐ」ことがポイントです。ここでは、株式で効率的に稼ぐための4つの方法をご紹介します。
- 自分で起業する: 自社の株式を公開し、その価値で大きなお金を得る方法です。起業の成功率は高くないものの、起業コストは低下し、株式公開も容易になっています。人を雇う経済的なリスクと対人的なプレッシャーに耐えられるなら、他人を振り回す側に回りましょう。
- 他者の起業に早い段階で参加する: 他者の起業に初期段階で参加し、ストックオプションなどの権利を確定させます。その企業で働くことが自分にとってプラスになるかを見極める必要がありますが、短期間で資産を形成するチャンスです。
- 報酬を自社株やストックオプションで得る: 報酬の大部分を自社株やストックオプションで支払う会社で働くことです。10年も働けば、運用益で一般的な勤労所得並の生活を送る「FIRE」も夢ではありません。
- 起業の初期段階で出資する: 友人などのビジネスに初期段階で出資し、株式の一部を持たせてもらう方法です。人脈を形成し、チャンスを逃さないようアンテナを張り巡らせましょう。
これらの方法を駆使して、新しい時代の働き方を実現し、資産を増やしていきましょう!
お金を効率的に増やす秘訣
確実にお金を増やす3つの基本ステップ
稼いだお金を効率よく増やすための基本は、次の3つのステップに集約されます。
- 生活費の確保: 生活費の3~6カ月分を普通預金口座に取り置きます。
- 運用資金の設定: 生活費以外の資金を「運用資金」として全額「全世界株式のインデックスファンド」に投資します。
- 追加投資の継続: 資産が増えたら同じインデックスファンドに追加投資し、お金が必要になった場合は必要な分だけ解約して使います。
インデックスファンドに投資した場合のリスクとリターンのバランスについても考慮することが重要です。
運用成功のための3つのゴールデンルール
実際に資産運用を行う際には、「長期投資」「分散投資」「低コスト」を守ることが重要です。
短期的な経済状況や相場情報に基づいて「売り・買い」するのは避けましょう。投資のプロでも継続的に成功するのは難しいのです。複利運用には「持ちっぱなし」(バイ・アンド・ホールド)が基本です。専門家が相場分析をするのは仕事だからであり、運用の実績にはほとんど影響しないと断言します。
また、リスクを分散することで期待できるリターンを下げずにリスクを減少させることができます。手数料が高い時点で、その商品は検討の対象外です。同じリスクがある商品なら、運用・管理の手数料が低いものを選びましょう。
全世界株式インデックスファンドの魅力
インデックスファンドは特定の「株価指数」に連動して運用され、販売手数料や運用管理費用が安く設定されているのが特徴です。プロの運用者が投資銘柄やタイミングを図って平均以上のリターンを目指すアクティブファンドもありますが、多くの場合、手数料が高く、事前に成功するファンドを選ぶのは困難です。
市場の運用競争においては、競合同士の平均となる「市場の平均」が最も有利になります。インデックスファンドは市場の平均に近い構成であり、経済合理性が高いのです。
全世界株式のインデックスファンドは、資産運用のグローバル化が進む中で世界の大機関投資家の平均的な運用スタイルに近いものです。2023年時点で米国株式は全世界株式の約6割を占めていますが、米国株に100%投資することは極端なアクティブファンド的運用です。平均投資有利の原則からも、全世界株式のインデックスファンドが賢い選択となります。
お金に潜むリスクを知る
お金には罠と誤解がいっぱい
お金の問題には、誤解しやすい罠や誤った俗説がたくさん存在します。お金は人間の感情に働きかけやすいため、本来は論理や計算で解決できる問題を間違えやすいのです。金融ビジネス業界は、自らの利益のために誤解や俗説を流すこともあります。これらに足をすくわれないためには、自分の頭で考え、論理と計算で解決することが重要です。
さらに、人間関係とお金の問題は切り離すべきです。友人や知人へのお金の貸し借りは基本的に避け、債務の保証人には絶対にならないようにしましょう。
保険の本質を理解する 保険は「仕方なく加入するもの」
社会人の初期に間違いやすいのが生命保険の選び方です。保険とは、「滅多に起こらないが、起こったときの損失が壊滅的な事象」に備えて「仕方なく加入するもの」です。保険会社が得をし、加入者が損をするように設計されていることを理解しておきましょう。
若い社会人が必ず加入すべきは、自動車の任意保険、火災保険、お金が十分にない状況で子どもが生まれた場合の死亡保障の生命保険です。これらも、掛け捨てで安いものがよいです。例えば、がん保険は「事後的には得だと感じる」ことがあっても、がんになるかわからない「事前」の段階では「保険会社が儲かる賭け」であることを理解する必要があります。「事前」と「事後」の問題を区別する習慣を身につけましょう。
適切にリスクを取る重要性 リスクを取る者が勝者になる
経済格差は、個々人がどれだけリスクを許容できるかによって生まれます。「リスクを回避する者が提供する価値を、リスクを取る者が吸い上げる」というのが経済循環の仕組みです。
資本主義において、リスクを取って対価を吸収する仕組みの一つが株式投資です。大金持ちを目指さないまでも、経済的に不利な状態に陥らないためには、自分の人的資本を「掛け金」にして、起業に近い場所に身を置くことが重要です。
それが難しければ、自分の金融資産だけにリスクを担わせる「投資」も一つの手です。自らリスクを取る人生は退屈かもしれませんが、経済力を得るまでの時間を要しても、何もやらないよりははるかに有益です。
経済評論家が語る!成功する「働き方」革命
「人材価値」を最大限に活かす秘訣
働く上で重要なのは、自分の「人材価値」を育て、守り、活かすことです。単に組織に属しているだけでは、もはや十分ではありません。人材価値とは、「仕事の能力」と、その能力を実際に仕事で活かした「実績」によって評価されます。
さらに、今後の「持ち時間」も考慮されます。知識や資格といった能力も、仕事で使った経験がなければ評価の対象になりません。同じ能力や実績を持つ人がいるなら、若くて「持ち時間」の長い人材のほうが価値が高くなるのです。
時間を賢く使って未来を築く
社会人としての生活では、誰の時間にも経済的な価値があることを意識しましょう。年間250日、1日8時間を労働時間とすると、年収1000万円の人の時給は5000円です。実際の時間の価値はもっと高いでしょう。
その時間を自己投資に向けるなら、2年を一つの目安にするのが良いです。この期間、集中的に努力すれば、どの分野でも「素人とは違うレベル」になります。それでもダメなら、その分野は自分に向いていないのかもしれません。
「人間関係は重要な資産」です。自分を変えたいなら、誰と時間を過ごすかも意識することが重要です。具体的には、「付き合うと好影響をもたらす頭の良い人、センスが良くてチャンスを引っ張ってくる人、真に心を許せる本当に良い人」と付き合うことが勧められます。
もちろん、こうした人と付き合うには、自分自身もそのような人間になる必要があります。
人脈と知識を広げるための工夫
「勉強会」は人脈と知識を拡大するための重要な手段です。自分で主宰したり、幹事を引き受けたりすれば、メンバーやテーマ、講師なども自分好みに選べます。これにより、メンバー同士の人間関係を強化でき、会の世話人として「恩」を売ることもできます。
また、会食も重要なコミュニケーション手段です。場所選びには決して手を抜かず、事前にその店に足を運んでメニューを知っておきましょう。会食当日は、参加者の飲食量や気分を常に把握し、追加注文や食事の取り分けなどで気を利かせることが大切です。
過去の損失を捨て、未来に集中する
人生の意思決定においては、ある選択によって放棄した最も大きな利益「機会費用」を見落とさず、既に発生して回収が不可能な「サンクコスト」にはこだわらないことが肝要です。サンクコストは無視して、「これから変えることのできる将来」に集中しましょう。
投資に例えるなら、「買い値よりも値下がりしている場合の評価額」がサンクコストに当たります。それよりも、今後必要となるコストと得られるメリットのみを考慮するべきです。過去に支払ったコストは関係ありません。
リスクを取って未来を切り拓く
資本主義社会において、一労働者として身を守るだけでは、リスクを取る投資家・資本家たちへと「利益を提供する」だけになってしまいます。
そこから抜け出すためには、投資の方法だけでなく、働き方についても深く考える必要があります。本書はまず「働き方・稼ぎ方」の章から始まり、「お金の増やし方と資本主義経済の仕組み」、「もう少し話しておきたいこと」、「小さな幸福論」と続きます。
最後に、著者が息子を中心とした若い世代へのメッセージにも触れています。それは、2024年1月に亡くなった著者の最期のメッセージでもあり、心に響くものがあります。

コメント