
ども♪アラフィフの「人柱」ブロガーです。
今週の数字(先に結論)ドル建て評価損益 -8.55% / 円建てトータルリターン +4.04%(+12,539円) / 配当10発・1,178円着弾 / 先週の主役563Aが最下位に転落、代わってNVDYが+4.30ppで首位に
7月中旬の船橋は、夜になっても空気が生ぬるいままでした。先週は赤ワインの気分でしたが、今週は焼酎に戻しました。グラスに注いだ1杯目を口に運びながらスマホを開くと、また速報が光っていました。
「S&P500、7,575.39で史上最高値更新。」ダウ平均も週明けに史上初の53,000ドル台に乗せたばかりです。2週連続で、祭りのニュースを眺める夜です。
証券アプリを開きます。評価損益:ドル建て-8.55%。先週の-9.25%からわずかに浅くなりましたが、依然としてマイナス圏です。指数は最高値、自分は含み損。この構図は先週と同じでした。
ただ、今週は先週と違うものが2つありました。1つは配当の通知が10件並んでいたこと。合計7.28ドル(1,178円)、先週の583円からほぼ倍増です。
もう1つは、ランキングの顔ぶれが激変していたことです。先週トップだった563Aが最下位に沈み、含み損の主役だったNVDYが改善幅トップに躍り出ていました。
焼酎の2杯目を注ぎながら、この「主役交代」の意味を考え始めました。3杯目を空ける頃には、今週書くべきテーマが決まっていました。
今週の魂の要約

今週、魂に刻んだのは3点。
- ダウ・S&P500がともに史上最高値を更新したのに、評価損益はドル建て-8.55%(円建て-5.84%)。祭りは2週目、こちらの含み損もまだ2桁目前です。
- 先週の主役563A(東証上場・NASDAQ100日次カバードコールETF・カバー率約10%)が-1.76ppで最下位に転落。代わってNVDY(エヌビディア株連動カバードコールETF)が+4.30pp(pp=パーセントポイント。損益率が何ポイント動いたかを示す単位)、JEPQ(ナスダック100連動・ELN(株式連動債)活用型プレミアムインカムETF)が+2.00ppと、半導体・AI敏感組が浮上しました。
- 配当10発・7.28ドル(1,178円)が着弾。累計配当は投資元本比+9.87%まで積み上がり、円建てトータルリターンは+4.04%(+12,539円)とプラスを維持しています。
最高値の祭りと、裏で灯った赤信号──今週のマクロ環境

今週の主役はS&P500とダウ平均の史上最高値更新です。ただしその裏側で、市場局面カードのラベルは1段階悪化しました。
独立記念日の連休明け7月6日(月)、ダウ平均は史上初の53,000ドル台となる53,055.91ドルで取引を終え、史上最高値を更新しました。休暇明けの薄商いの中でAI関連の楽観論が再燃した格好です。
週末7月10日(金)にはS&P500が7,575.39で史上最高値を付けました。牽引役はハイテクです。NVIDIAが週間で約+4%、Meta Platformsが約+6%、Western Digitalが+7%、Teradyneが+2.8%と、半導体・AIインフラ関連に買いが集まりました。
| 指標 | 前週終値 | 当週終値 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,483.24(7/2) | 7,575.39(7/10) | +1.23%(史上最高値) |
| NASDAQ100 | 29,329.21(7/2) | 29,825.11(7/10) | +1.69% |
| ダウ平均 | 52,900.07(7/2) | 52,637.01(7/10) | -0.50%(7/6に53,055.91で史上最高値) |
| 日経平均 | 69,744.07(7/3) | 68,557.73(7/10) | -1.70% |
| 米10年債利回り | 4.49%(7/2) | 4.54%(7/10) | +0.05pt |
| VIX(恐怖指数) | 16.15(7/2) | 15.84(7/9) | -0.31pt |
| 金(ゴールド) | 4,187.30(7/3) | 4,113.70(7/10) | -1.76% |
| ドル円 | 161.45(7/3) | 162.36(7/10) | +0.91円(+0.57%) |
| ビットコイン | 62,544ドル(7/3) | 64,127ドル(7/10) | +2.53% |
※前週の米国市場は7月3日(金)が独立記念日の振替で終日休場だったため、米国株・米国債は7月2日終値、日経平均・ビットコイン・金・ドル円は7月3日実績値を「前週」として使用しています。
指数・為替の値はanalysis-lab DB(yfinance由来)を正本とし、米10年債利回りはFRB H.15で裏取りしています。
ただし中身をよく見ると、祭り一色ではありません。ダウは7月6日に最高値を付けた後、週末にかけて利益確定売りに押され、週間ではむしろ-0.50%の小幅反落でした。
日経平均も-1.70%と反落しています。金(ゴールド)は株式へのリスクオン(投資家がリスク資産に資金を向ける強気の地合い)の資金シフトで-1.76%の反落。
ドル円は161.45円から162.36円へと円安が進み、円建てで見る私のポートフォリオには為替の追い風が吹きました。
そして今週いちばん引っかかったのが、市場局面カード(analysis-labで自作している局面判定ツール)のラベル変化です。
前週W27は「インフレ鈍化・金利高止まり」(CPI前年比3.7%)でしたが、今週W28は「高インフレ・利上げ局面」(CPI前年比4.2%)に切り替わりました。失業率は4.3%と雇用に減速感が見える一方、米10年債利回りは4.49%から4.54%へ上昇。
VIXは15台の低水準で市場の警戒感は限定的ですが、株高・低VIX・インフレ再加速という組み合わせは、CMA(証券アナリスト)の目にはあまり筋の良い組み合わせに見えません。
インフレの再加速が金利をさらに押し上げれば、長期債系の銘柄には逆風が続きますし、株式のバリュエーションにも重石になります。
史上最高値の看板の裏で、インフレ再燃の芽が静かに育っている。それが今週のマクロの実像だと見ています。
FRB(連邦準備制度理事会)の動きとしては、ウォラー理事が7月6日、ローマで開催されたイタリア銀行主催の会議で金融政策の伝達メカニズムについて講演しました。
パンデミック後のインフレ局面を題材にした学術寄りの内容で、利上げ・利下げの方向性への言及はありませんでした。
また7月10日には議会向けの金融政策報告書(Monetary Policy Report)が公表されています(発表の事実のみ確認済みで、詳細は未確認です)。
政策の手掛かりが乏しいまま、CPIだけが先に悪化した──そんな1週間でした。
データソース: Yahoo Finance(ダウ最高値) / TheStreet(7/6市況) / CNBC(ハイテク動向) / FRB H.15(金利) / FRB(ウォラー理事講演) / FRB(金融政策報告書)
倍返しの10発──今週の配当着弾記録

| 着弾日 | ティッカー | 受取額(ドル) | 受取額(円) | 魂の叫び |
|---|---|---|---|---|
| 2026-07-06 | AIPI(AI関連株カバードコールETF) | 0.73 | 118 | 暴れ馬の手土産118円 |
| 2026-07-06 | CEPI(暗号資産関連株カバードコールETF) | 0.99 | 160 | 混沌の覇者、160円の貫禄 |
| 2026-07-06 | FEPI(ハイテク大手カバードコールETF) | 0.46 | 75 | 三悪魔の義理75円 |
| 2026-07-06 | IGLD(金価格連動カバードコールETF) | 1.53 | 248 | 金の盾、今週の最大口 |
| 2026-07-06 | ULTY(高ボラ銘柄群オプションETF) | 0.74 | 120 | 吐血しながらの120円 |
| 2026-07-07 | JEPQ | 0.93 | 149 | 前座の実力149円 |
| 2026-07-07 | NVDY | 0.64 | 103 | 8円の悲劇から103円へ |
| 2026-07-08 | NVYY(エヌビディア・プット売り活用ETF) | 0.53 | 86 | 主犯の週次のお詫び |
| 2026-07-08 | TQQY(TQQQ・3倍レバレッジオプションETF) | 0.50 | 81 | 死神の施し、続く |
| 2026-07-08 | YSPY(S&P500オプションETF) | 0.23 | 38 | 偽りの安全の小銭38円 |
| 合計 | — | 7.28ドル | 1,178円 | — |
※先週(W27)は9件・3.59ドル(583円)。今週は件数・金額とも増加し、金額はほぼ倍増しました。
今週の配当着弾は計10発、3波構造でした。7月6日に月次組の5銘柄が一斉着弾し、7月7日にJEPQとNVDY、7月8日に週次組のNVYY・TQQY・YSPYが続く展開です。
合計1,178円は、牛丼並盛り2杯分といったところでしょうか。先週の「1杯とちょっと」から、食卓が少しだけ豊かになりました。
個人的なハイライトは、NVDYの103円です。先週の記事で「この8円、覚えておいてください」と書いた、あの8円の悲劇からの復活です。オプションプレミアム(オプションを売った際に受け取る収益。
株価とは別財布で入ってくる現金)の水準は毎回変動するため、1回の増減で一喜一憂すべきではありませんが、先週アップサイドキャップの象徴として取り上げた銘柄が、翌週に配当でも価格でも持ち直してきたのは、後段で解説する「ロールオーバー」の話とつながる観測事実として記録しておきます。
もう1つの追い風は為替です。ドル円が162.36円まで円安に振れたことで、同じドル額でも円換算の受取額が膨らみやすくなっています。
7.28ドルという着弾額そのものの増加に、円安の後押しが上乗せされた1,178円でした。指数が最高値だろうと、局面カードが悪化しようと、この入金だけは淡々と続いています。
主役交代──銘柄別損益率ランキング

| 順位 | ティッカー | 先週損益率 | 今週損益率 | 損益率の変化(pp) | 魂の叫び |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | NVDY | -17.21% | -12.91% | +4.30pp | 主役の帰還、有言実行 |
| 2 | JEPQ | +6.17% | +8.17% | +2.00pp | 前座、静かに主役級 |
| 3 | QQQI(NASDAQ100オプション連動高配当ETF) | +2.06% | +3.91% | +1.84pp | 安定感担当の面目躍如 |
| 4 | FEPI | -9.89% | -8.22% | +1.68pp | 三悪魔、傷が癒え始める |
| 5 | AIPI | -11.32% | -9.81% | +1.51pp | 暴れ馬、AIラリーに便乗 |
| 6 | CEPI | -7.24% | -6.17% | +1.07pp | 混沌の覇者、BTC追い風 |
| 7 | ULTY | -27.54% | -26.93% | +0.61pp | 吐血、今週は小康 |
| 8 | NVYY | -34.03% | -33.45% | +0.58pp | 主犯、微かな反省 |
| 9 | TQQY | -21.05% | -20.49% | +0.56pp | 死神も小銭は拾う |
| 10 | YSPY | -19.88% | -19.71% | +0.17pp | 偽りの安全、誤差の前進 |
| 11 | IGLD | -17.55% | -17.86% | -0.31pp | 金の盾、金反落の直撃 |
| 12 | 2865(東証上場・NASDAQ100カバードコールETF・カバー率100%) | +4.17% | +3.77% | -0.40pp | 守備の番人、静かに後退 |
| 13 | 453A(米国債20年超プレミアムインカムETF・東証上場) | +1.87% | +1.29% | -0.59pp | 国債使い、金利上昇に押される |
| 14 | DOGG(ダウの犬戦略ETF) | +5.00% | +4.09% | -0.91pp | 犬、最高値の週に優雅に裏切る |
| 15 | TLTX(米国長期国債カバードコールETF) | -3.92% | -5.46% | -1.54pp | 金利の刃、再び |
| 16 | 563A | +8.00% | +6.24% | -1.76pp | 先週の主役、謎の転落 |
今週の見どころは、上位と下位の完全な入れ替わりです。改善幅トップはNVDYの+4.30pp。-17.21%から-12.91%へと、含み損の主役級だった銘柄が一気に浅瀬まで戻してきました。
2位JEPQ(+2.00pp)、3位QQQI(+1.84pp)、4位FEPI(+1.68pp)、5位AIPI(+1.51pp)と、上位は見事に半導体・AI・NASDAQ100敏感組で占められています。
NVIDIA週間約+4%、NASDAQ100本体+1.69%というハイテクラリーの恩恵を、今週はカバードコール勢もある程度取り込めた形です。
「ある程度取り込めた」のはなぜか──その仕組みが今週のCMA考察の本題です。
一方、下位には金利と商品の逆風がそのまま出ました。TLTXの-1.54ppと453Aの-0.59ppは、米10年債利回りが4.49%から4.54%へ上昇したことと整合的です。
長期債は金利感応度(金利変動に対する価格の反応の大きさ)が最も高く、利上げ局面では静かに削られます。IGLDの-0.31ppも、金そのものが-1.76%と反落した週ですから、むしろ小幅で済んだ方でしょう。
DOGGの-0.91ppは、最高値を付けたのに週間ではマイナスというダウ平均(-0.50%)の姿をそのまま映しています。
そして最下位が、先週の主役563Aの-1.76ppです。NASDAQ100本体は+1.69%上昇し、ドル円も円安(円建てETFには追い風になりやすい方向)だったにもかかわらず、563Aの円建て価格自体が下落しました。
先週+8.00%まで伸びた今週損益率は+6.24%へ後退。正直に言います、この動きの原因は今の私にはわかりません。
仮説はCMA考察のサブテーマで整理しますが、断定できる材料がないため、今週は「観測事実として記録する」にとどめます。
血の決算報告──W28 ポートフォリオ全景

| 項目 | ドル建て | 円建て(為替込み) |
|---|---|---|
| 投資元本 | 1,967.15ドル | 310,206円 |
| 株式時価総額合計 | 1,798.95ドル | 292,083円 |
| 株式評価損益合計 | -168.20ドル | -18,123円 |
| 株式評価損益率 | -8.55% | -5.84% |
| 累計配当金総額 | 194.16ドル | 30,662円 |
| トータルリターン | +25.96ドル | +12,539円 |
| トータルリターン率 | +1.32% | +4.04% |
※太字=円建て(為替込み)の数値。読者が実際に体感する損益に近いため強調しています。
※為替レート:1ドル=162.36円(基準日2026年7月10日終値)※ドル建て(+25.96ドル)と円建て(+12,539円)の差は、投資開始時点からの円安(為替差益)によるものです。
円建て(為替込み)のトータルリターンは+4.04%(+12,539円)。先週の+2.42%(+7,521円)から約5,000円の積み増しです。
実際に支払った元本310,206円に対して、株式評価損-18,123円と累計配当金30,662円を合算した実態の損益が+12,539円。配当が評価損をまるごと飲み込んで、なおプラスを維持している構図です。
ドル建てで見ても、トータルリターンは+1.32%(+25.96ドル)と、先週の+0.24%から厚みを増しました。
為替を除いた純粋な運用成績でもプラス圏を保っています。評価損益はドル建て-8.55%と依然深いものの、先週の-9.25%からは0.70pt改善しました。
そして今週いちばん強調したい数字が、累計配当金194.16ドル(30,662円)です。投資元本に対する累計配当回収率は+9.87%(投資開始からの累計であり、年率ではありません)。
先週の+9.49%から着実に積み上がり、2桁の大台が視界に入ってきました。評価損益-8.55%を配当回収率+9.87%が上回る──「含み損を配当が飲み込む」構図が、今週も維持されています。
もちろん、ドル建て評価損益-8.55%という数字から目を逸らすつもりはありません。指数が史上最高値を更新する週が2週続いても、この含み損はまだ2桁の淵にいます。本質的な運用成績を評価する際は、この数字も直視する必要があります。
NVDYはなぜ蘇ったのか──行使価格ロールオーバーという名の再起動

今週の結論から言います。NVDYが-17.21%から-12.91%へ+4.30ppも改善できたのは、NVIDIA株の上昇(週間約+4%)に加えて、カバードコールETFに組み込まれた「行使価格のロールオーバー」(オプションの売り直しに伴う行使価格の再設定)が働いたから、と説明できます。
先週解説した「アップサイドキャップ」(上昇益に天井ができる構造)の、ちょうど裏面にあたる話です。
理由を説明します。カバードコールETFは、コールオプションを一度売ったら終わり、ではありません。毎週・毎月、期限の来たオプションを清算し、新しいオプションを売り直します。
この売り直しがロールオーバーです。そして重要なのは、新しい行使価格(=アップサイドキャップの水準)が、ロールする時点の株価を基準に再設定されるという点です。
株価が下落した後にロールすれば、新しいキャップは「下がった株価」を基準に張り直されます。天井の絶対水準は下がりますが、そこから株価が反発する局面では、「新しいキャップに当たるまで」の値上がり益をある程度取り込めるのです。
つまりアップサイドキャップは、固定された天井ではありません。株価に追従して毎回張り直される、いわば「可動式の天井」です。
具体例が今週のNVDYです。これまでも週間最下位に沈んでは含み損を深めてきた「戦犯」常連の銘柄ですが、NVDYはエヌビディア株を対象にしたオプション戦略で、-17%台まで沈んでいました。
下落した水準でオプションがロールされていれば、キャップも低い位置に再設定されています。そこへ今週のNVIDIA約+4%の反発が来た。
新しいキャップまでの距離に余裕があれば、その分の値上がり益はETFにも乗ります。結果が+4.30ppの改善です。同じ構図は上位陣にも見えます。
JEPQは+2.00pp、QQQIは+1.84ppと、NASDAQ100本体の週間+1.69%に対して遜色ない、あるいはそれ以上の改善幅を示しました。
先週「祭りに乗れない」と嘆いたカバードコール勢が、今週それなりに祭りの恩恵を受けられたのは、下落後のロールでキャップが下がっていたから──これが今週の人体実験から読み取れるメカニズムです。
ただし、CMAとして限界も3つ明記しておきます。第一に、反発が強すぎれば新しいキャップにすぐ到達し、そこから先はまた取り逃がします。
天井が可動式でも、天井は天井です。第二に、タイミングの問題があります。下落した位置でキャップを張り直した直後に急反発が来ると、低い天井のせいでかえって取り逃がしが大きくなる「往復ビンタ」もあり得ます。
ロールオーバーは万能の復元装置ではなく、天井の位置直しにすぎません。第三に、下落そのものは防げません。NVDYは+4.30pp改善してもまだ-12.91%です。
この戦略の評価基準が「指数に勝ったか」ではなく「元本に対して累計でどれだけ回収できたか」であることは、先週から変わりません。その基準で言えば、累計配当回収率+9.87%は着実な前進です。
サブテーマ:563Aの謎──正直、わかりません。
今週どうしても書き残しておきたいのが、563Aの逆転現象です。(前段のNVYY・TQQYとは別銘柄の話です。紛らわしいのですが、563Aについても上場直後に別記事で「年利15%」の甘い罠として警告を書いたことがあり、そちらの初回決算日もたまたま同じ2026年7月10日でした。)
その記事では「初回決算を過ぎたら数ヶ月は実績データを注視しろ」と自分に釘を刺していましたが、まさにその初回決算のタイミングでこの謎が発生した格好です。
観測事実を並べます。NASDAQ100本体は週間+1.69%上昇しました。ドル円は162.36円へ円安が進みました。563AはNASDAQ100に連動する東証上場・円建てのETFで、カバー率は約10%。先週はこの低カバー率を武器にNASDAQ100の上昇へほぼフルに追随し、+1.66ppで週間トップでした。
条件だけ見れば今週も追い風のはずです。ところが563Aの円建て価格自体が下落し、週間-1.76ppの最下位。この因果関係を、私は今週説明できません。
仮説レベルの材料は2つあります。1つは時差の構造です。563Aの連動対象(ベンチマーク)は韓国上場のETFで、米国市場との取引終了時刻に約13.5〜14.5時間の時差があるため、対象指数の値動きと基準価額に乖離が生じうる──これは目論見書に記載のある構造的留意点です。
米国の上昇が反映されるタイミングのずれが、週次の切り取りでは逆方向に見えている可能性があります。もう1つは、563A特有の日次オプション(毎日売り直すコールオプション)のリセットタイミングが、今週の値動きのどこかで不利に働いた可能性です。
ただし、どちらも検証できるデータを今の私は持っていません。なお、同じ東証上場の2865も-0.40ppと小幅に後退しており、東証上場組に共通する要因がある可能性も含めて、来週以降の観測課題とします。わからないことを、わかったふうに書かない。人体実験の記録者として、そこだけは守ります。
19a-1公式発表ダイジェスト:NVYYとTQQYの分配金の中身
先週予告した通り、NVYY(エヌビディア・プット売り活用ETF)の19a-1通知(Section 19(a)通知。分配金の原資内訳=値上がり益・利子収入・ROC(元本返還)の比率を開示する米国のETF公式書類)を確認しました。
運用会社GraniteSharesが公式サイトで公表した通知書によると、6月分のROC比率は96.81%とほぼ全額が元本返還でしたが、7月分(速報値)は31.56%まで低下しています。分配金の原資が元本の取り崩しから実質的な収益寄りへシフトした可能性を示す動きで、今後数ヶ月の推移を追う価値があります。
あわせてTQQY(TQQQ・3倍レバレッジオプションETF)の7月分ROCは98.22%と、6月の95.12%からさらに上昇し、分配金のほぼ全額が元本返還である状態が続いています。今週の配当着弾記録にあるTQQYの81円も、その大部分が「利益の分配」ではなく「自分の元本が戻ってきているだけ」という実態は、投資判断のうえで直視すべき事実です。
出典: GraniteShares NVYY公式ページ(19a-1通知) / GraniteShares TQQY公式ページ(19a-1通知)
結論

聞いてください!!
ダウとS&P500が史上最高値を更新するニュースを2週連続で見せられて、それでも自分の口座はマイナスのまま──そんな夜を過ごしているあなた。分かります。私の口座も今週、ドル建て-8.55%のままでした。焼酎を3杯空けても、その数字は1ミリも動きませんでした。
でも今週、私は先週とは違う気分でグラスを置きました。理由は数字にあります。最高値の主役は指数です。含み損の主役は、残念ながら私の元本です。しかしこの人体実験には、第三の主役がいます。配当です。今週も10発・1,178円が着弾し、累計配当は元本比+9.87%まで積み上がりました。
評価損-8.55%より、配当回収+9.87%の方が大きい。これがドル建てトータルリターン+1.32%のプラスを支え、そこに円安の為替差益が上乗せされて円建てトータルリターンは+4.04%(+12,539円)まで伸びているのです。派手さはゼロですが、この第三の主役だけは、最高値の週も暴落の週も、静かに勝ち続けています。
そしてもう1つ。今週のランキングを見てください。先週トップの563Aが最下位へ、先週どん底のNVDYが首位へ。たった1週間で主役は入れ替わりました。もしあなたがどれか1銘柄の1週間の成績だけを見て「この戦略は駄目だ」「この銘柄は最高だ」と判断しかけているなら、ちょっと待ってほしいのです。
カバードコールETFの表情は、行使価格のロールオーバー1つで週ごとに変わります。だからこそ、毎週ランキングを並べて変化を追い続けることに意味があります。単週の順位ではなく、累計の回収率で判断する。それがこの1年間の人体実験で私が守り続けている、たった1つの規律です。
わからないことは、わからないと書きました。563Aの謎は来週も追いかけます。NVYYの19a-1通知(分配金の原資内訳を示す開示書類)も引き続きウォッチします。最高値だろうが暴落だろうが関係ない。拾うと決めたら、拾い続ける。人体実験は続く。
⚠️ リスク開示・免責事項(重要)本記事は筆者個人の投資運用記録であり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。本記事で取り上げるカバードコールETF(国内・海外を含む)は、基準価額(NAV)の下落により投資元本を下回るリスクがあります。分配金(配当)は保証されておらず、減額・停止されることがあります。為替変動リスク、発行体の信用リスクも存在します。投資判断はご自身の責任で行い、目論見書・ファクトシート等を必ずご確認ください(各銘柄の目論見書名は本記事末尾FAQの出典欄にも記載しています)。
よくある質問(FAQ)

Q1. 行使価格のロールオーバーとは何ですか?なぜ下落後の反発局面で有利に働くのですか?
カバードコールETFは、売却したコールオプションの期限が来るたびに清算し、新しいオプションを売り直します。この売り直しをロールオーバーと呼び、新しい行使価格(アップサイドキャップの水準)はロール時点の株価を基準に再設定されます。
株価が下落した後にロールすると、キャップは低くなった株価を基準に張り直されるため、その後の反発局面では「新しいキャップに当たるまで」の値上がり益を取り込めます。今週のNVDY(-17.21%→-12.91%、+4.30pp改善)は、NVIDIA株の反発とこの仕組みが重なった例と考えられます。
ただし反発が強すぎれば新しいキャップに到達し、そこから先は再び取り逃がします。
出典:
- YieldMax NVDA Option Income Strategy ETF (NVDY) – Prospectus
- NEOS Nasdaq-100 High Income ETF (QQQI) – Prospectus
Q2. 先週トップだった563Aが今週最下位に沈んだのはなぜですか?
正直に言うと、原因は特定できていません。NASDAQ100本体は週間+1.69%上昇し、ドル円も円安(162.36円)と条件は追い風だったにもかかわらず、563Aの円建て価格自体が下落しました。
仮説としては、①連動対象(ベンチマーク)が韓国上場のETFであり、米国市場との取引終了時刻の時差(約13.5〜14.5時間)により対象指数の値動きと基準価額に乖離が生じうるという目論見書記載の構造的留意点、②日次オプションのリセットタイミング、の2つが疑われますが、いずれも検証データがなく断定できません。本ブログでは観測事実として記録し、来週以降も追跡します。
出典:
- グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF (563A) – 簡易目論見書(時差による基準価額乖離の留意点を記載)
Q3. ダウやS&P500が史上最高値なのに、なぜ含み損が-8.55%も残っているのですか?
主な理由は2つあります。第一に、過去の下落局面で膨らんだ含み損がまだ回復途上であること。第二に、カバードコール戦略のアップサイドキャップにより、指数の上昇局面でも値上がり益の取り込みに上限があるため、指数と同じ速度では回復できないことです。
一方で、この戦略の収益はオプションプレミアム由来の配当という別の軸でも積み上がります。私のポートフォリオでは累計配当が投資元本比+9.87%に達しており、評価損-8.55%を配当が上回った結果、円建てトータルリターンは+4.04%のプラスを維持しています。
評価は「指数に勝ったか」ではなく「元本に対して累計でいくら回収できたか」で行うのが、この戦略との正しい付き合い方だと考えています。
出典:
- YieldMax NVDA Option Income Strategy ETF (NVDY) – Prospectus
- J.P. Morgan Nasdaq Equity Premium Income ETF (JEPQ) – Prospectus
- グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF (2865) – 簡易目論見書
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