【配当7発770円】「TLTXが答えになる」と書いた翌週、TLTXが16銘柄中最下位に沈んだ──トータルリターンは+8,477円へ【9/25週次レポート】

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先週、私は「10年債が5%台に定着するかは、TLTXの数字が答えになる」と書きました。今週、米10年債利回りは5.167%で週を終え、TLTXは16銘柄中の最下位に沈みました。反応は返ってきました。望んでいた答えではありませんでした。


土曜の朝、洗濯機の回る音を聞きながら、スマホで先週の記事を最後の段落から読み返しました。「③10年債利回りは5%台に定着するのか(為替の影響が小さいTLTXの数字が答えになります)」。書いたのは私です。書いた時点では、少し気の利いた一文のつもりでした。

集計結果を開くと、問いを立てて答えが返ってきていました。ただし、いちばん痛い形で。笑うしかありませんでした。脱水が始まった洗濯機の振動で、足元の床が小さく揺れていました。

一方でポートフォリオ全体は悪くなく、それなのに私の目は最下位の一行から離れないのです。伸びた週に、なぜTLTXだけが奈落へ落ちたのか。先週立てた残り2つの問いにはどんな答えが返ってきたのか。今週は、その答え合わせです。

目次

今週、先週の自分に突きつけられた3つのこと

今週、先週の自分に突きつけられた3つのこと
  1. 米10年債利回りは4.996%から5.167%へ上昇し、TLTXは-3.65ppで最下位。

  2. それでもトータルリターンは円建て+8,477円(+2.73%)。 先週から2,909円の改善(含み損縮小2,139円+配当770円)です。

  3. NASDAQ総合は週間+2.06%、上位3銘柄はすべてナスダック100系。 1位563A(+3.22pp)、2位QQQI(+2.53pp)、3位JEPQ(+1.79pp)でした。

金利5%超えの刃とAIの熱狂、TLTXだけが刃の側に立った週

金利5%超えの刃とAIの熱狂、TLTXだけが刃の側に立った週

今週は、金利上昇とAI株高が正面衝突した週でした。

米10年債利回りは9月18日の4.996%から9月25日には5.167%へ、週間+17.1bpの上昇。引き金は9月23日のPMIで、S&P Globalの米9月速報総合PMIは58.4と2021年7月以来の高水準でした。

景気が強くインフレが下がりにくいとの連想で、10年債利回りは2007年以来(未検証・報道ベース)の水準に。翌24日にはドル指数が約2カ月ぶりの高値を付け、25日には一時5.233%まで上昇しています。

ところが、株は下がりませんでした。 NASDAQ総合は週間+2.06%、S&P500は+1.21%、日経平均も週間+2.07%と各地で強い一週間でした。9月21日にはAMDが約10%上昇し時価総額1兆ドルを突破、25日もMicrosoftが3.7%高とAI関連の買いが続き、金利上昇による割高感をAIの利益成長期待が吸収した形です。

伏兵は原油で、WTI原油は週間-7.44%と急落しインフレ懸念をいくらか冷ましました。ドル円は週間+0.64%の円安(詳細は後段の「問い①」参照)。金先物は週間-2.36%で、利上げ観測とドル高が安全資産需要を上回りました。

analysis-labの市場局面カードは「インフレ鈍化・金利高止まり」(VIX 14.2)、レジーム判定は「Expansion(拡大)」でした。

株が金利を振り切れた週に、金利そのものから逃げられなかったのがTLTXです。長期米国債が原資産である以上、AIの熱狂という逃げ道は最初から用意されていません。

配当着弾記録:7発770円、沈んだ国債組の453Aも44円を置いていった

配当着弾記録:7発770円、沈んだ国債組の453Aも44円を置いていった

今週の配当は7発合計770円でした。

着弾日ティッカー受取額(ドル)受取額(円)コメント
2026-09-24AIPI0.71ドル110円暴れ馬、AI相場の週にきっちり餌代
2026-09-24CEPI0.91ドル142円混沌の覇者、今週のドル建て2位
2026-09-24FEPI0.45ドル70円三悪魔の一角、控えめに着金
2026-09-24QQQI1.37ドル213円今週の最高額。値上がりと同じ週に届いた
2026-09-24ULTY0.65ドル101円吐血銘柄、それでも現金は現金
2026-09-25453A—44円国債組、金利5.2%の日に44円
2026-09-25NVDY0.58ドル90円主役、先週の100円から少し細る
合計—4.67ドル770円7発。453Aは円建てのためドル欄なし

先週の10発899円から3発・129円の減少です(NVYY・TQQY・YSPY・2865・563Aは今週DB上の記録なし)。いちばん素直にうれしかったのはQQQIの1.37ドル(213円)で、ランキング2位と値上がりが同じ週にそろいました。

一方でじっと見てしまったのは9月25日の453Aの44円です。10年債が一時5.233%を付けたその日に、価格は沈んでも分配は予定どおり口座に入りました──先週「配当の支払日は見出しに左右されない」と書いた通りです。

なお、ULTYは8月分に続き9月分(9/2・9/9・9/16のSection 19(a)通知)もROC比率100%(推計値)で、直近の分配は実質的に元本の払い戻しに近いとみられます。

銘柄別ランキング:TLTXが最下位、守り役3銘柄がそろって底に沈む

銘柄別ランキング:TLTXが最下位、守り役3銘柄がそろって底に沈む

今週の下位3銘柄は、すべて「守り役」として持っていた銘柄です。

順位ティッカー先週損益率今週損益率週間騰落率コメント
1563A+0.49%+3.71%+3.22pp新型兵器、NASDAQ高にほぼ追随
2QQQI+0.28%+2.80%+2.53pp意地のハイテク、値上がりと配当の二刀流
3JEPQ+7.69%+9.47%+1.79pp前座、涼しい顔で最上位を更新
4AIPI-9.84%-8.40%+1.44pp暴れ馬、AI相場の追い風
52865+2.65%+3.85%+1.20pp守備の番人、上昇を手放して堅実に
6FEPI-8.19%-7.12%+1.08pp三悪魔の一角、地味に前進
7NVDY-14.41%-14.00%+0.41pp主役、小さく戻す
8TQQY-24.07%-23.83%+0.25pp死神、NASDAQ高でも戻りは鈍い
9CEPI-8.79%-8.62%+0.17pp混沌の覇者、ほぼ横ばい
10ULTY-34.15%-34.33%-0.18pp吐血、溶解は止まらず
11YSPY-18.23%-18.45%-0.22pp偽りの安全、S&P500高でも後退
12NVYY-40.51%-40.78%-0.26pp含み損の主犯、じわりと更新
13453A-5.63%-6.52%-0.89pp国債使い、TLTXより傷は浅い
14DOGG+3.25%+2.28%-0.96pp孤軍奮闘の犬、ダウ小幅高でも後退
15IGLD-16.76%-18.29%-1.52pp金の盾、金先物-2.36%を浴びる
16TLTX-9.59%-13.24%-3.65pp守護者、先週の問いに最悪の形で答える

この損益率は株価のみの変動率(配当含まず、通貨未統一)で、「週間騰落率」列は取得単価基準の損益率の差(pp)です。

最下位のTLTXは、1週間で損益率が-9.59%から-13.24%へ悪化しました。 先週は+0.72ppの6位でしたが、それは金利がほとんど動かなかった週の話です。

今週は+17.1bp動き、結果は全16銘柄中で最大の悪化幅。銘柄マスターの「長期債は最も金利感応度が高く、利上げ局面では静かに、しかし確実に削られる」という記述通り、今週は静かではありませんでした。

15位IGLDと14位DOGGも守り役です。IGLDは金先物-2.36%の逆風をそのまま受け、DOGGはダウ平均+0.28%の小幅高でも後退しました。守りのつもりで持った銘柄が、そろって殴られました。

気になるのは13位の453Aです。同じ米国長期国債のカバードコールなのに悪化は-0.89ppにとどまり、東証円建ての円安効果(+0.64%)や取引時間のずれが考えられますが、要因は未切り分けです。

上位の1位563Aと5位2865はともにナスダック100のカバードコールで、違いはカバー率(563Aは約10%、2865は100%)。この設計差が+3.22ppと+1.20ppの差にそのまま出ました。

今週のポートフォリオ決算:トータルリターン+8,477円、TLTXの傷を抱えたまま

今週のポートフォリオ決算:トータルリターン+8,477円、TLTXの傷を抱えたまま

全体の数字は先週から改善しました。

項目金額(ドル)金額(円・為替込み)
投資元本1,972.41ドル310,206円
株式時価総額合計1,764.25ドル277,217円
株式評価損益合計-208.16ドル-32,989円
株式評価損益率-10.55%(ドル建て)-10.63%(円建て・為替込み)
累計配当金総額+258.25ドル+41,466円
(投資元本比 累計配当)+13.09%—
トータルリターン+50.09ドル+8,477円
トータルリターン率+2.54%(ドル建て)+2.73%(円建て・為替込み)
為替1ドル=157.13円—

評価損益率は-11.32%→-10.63%へ縮小(注:先週分の-35,128円・+5,568円はDB為替終値156.13円での再計算値で先週公開時の-34,026円・+6,669円とは一致せず、原因調査中)。ドル建てでもトータルリターンは+38.90ドルから+50.09ドルへ伸びており、為替だけの手柄ではありません。累計配当は41,466円(投資元本比+13.09%)に達しました。

TLTXが最下位に沈んだ週に全体は伸びた──16銘柄に分けて持つとはこういうことだと思います。ただし「TLTXの負けが帳消しになった」わけではなく、損益率-13.24%はそのまま口座に残っています。

先週の問いの答え合わせ:TLTXは即答、NVYYは沈黙、円は半分

先週の問いの答え合わせ:TLTXは即答、NVYYは沈黙、円は半分

問い①:円安は続くのか。答えは「半分YES」です。 ドル円は週間で156.129円から157.130円へ円安が続き、24日には一時158.996円まで進みましたが、25日には156.932円まで円高に振れる場面もありました(日本当局の円安けん制が背景とされています。先週記事の156.89円とは調査データ基準の違いによる差です)。

問い②:NVYYの60円はROCか収益か。答えは「保留」です。 NVYYの損益率は-40.51%から-40.78%へ-0.26pp(悪化幅は先週の-1.37ppより縮小)と沈み続けています。発行体GraniteSharesの9月分Section 19(a)通知はまだ確認できず、今週はNVYYの配当の着弾記録もDB上にありませんでした。

問い③:10年債は5%台に定着するのか。今週だけを見れば答えは「YES」、しかも最も痛い形でした(定着かどうかは1週分のデータでは判断できません)。10年債利回りは5.167%(一時5.233%)で週を終え、TLTXは最下位です。

3つの問いのうち明確な反応が出たのは1つだけで、それがいちばん聞きたくなかった反応でした。相場のことは相場に聞け、という古い言葉があります。聞いたら、答えてくれました。

CMA考察:同じ金利上昇で、TLTXとQQQIの明暗が分かれた理由

CMA考察:同じ金利上昇で、TLTXとQQQIの明暗が分かれた理由

まず答えを言います。金利上昇は全銘柄に同じ強さで効くわけではありません。 効き方を決めるのは資産ごとの金利感応度です。

債券は利回りが上がると価格が下がり、その感応度(デュレーション)は満期が長いほど大きくなります。TLTXの原資産は長期米国債で、利回り+17.1bpの動きでも価格への影響は大きく出ます。カバードコールはこの下落をほとんど防げません。コールプレミアムは小さな緩衝材にすぎないからです。

一方QQQIはナスダック100のオプション戦略で、価格を動かすのは金利より株価の動きです。今週はAIの利益成長期待が金利の重しを上回り、QQQIは金利上昇の週なのに+2.53ppで2位に入りました。

同じ「金利5%超え」でも、長期債には直撃、ハイテク株には打ち消された逆風。TLTXは今週の市場で「金利上昇そのもの」を最も色濃く映した銘柄でした。

来週の見通し・注目イベント:TLTXの今週は底か、入り口か

来週の見通し・注目イベント:TLTXの今週は底か、入り口か

来週確かめたいのは、今週の構図が1週限りか、それとも続くのかです。 次回FOMCは2026年10月27〜28日で来週は政策決定イベントなし。PCEデフレーター・GDP改定値(9月30日公表見込み)は今週は一次情報で再確認できていません(※要確認)。

来週確かめたいことは3つです。

  1. TLTXの週間騰落率は、今週の-3.65ppから戻るのか、さらに沈むのか。 10年債利回りが5%台にとどまるかどうかと合わせて見ます。
  2. 円は、25日の156.932円への反発が続くのか。 DBの集計レートで確かめます。
  3. NVYYの9月分Section 19(a)通知は出るのか。 60円の正体が分かれば宿題が片づきます。

市場の調査メモでは原油が次の伏兵とされ、100ドル超なら金利上昇圧力、90ドル方向なら株の追い風という見方でした。

結論:答えは返ってきた。望んだ答えではなかった

結論:答えは返ってきた。望んだ答えではなかった

正直に打ち明けます。先週「TLTXの数字が答えになる」と書いたとき、私はどこかで答えが「NO」であることを期待していました。

金利は5%の手前で踏みとどまり、TLTXは静かに持ちこたえる──そんな筋書きを、アナリストの顔をして問いの形に包んでいたのです。市場は、その包み紙をあっさり破りました。問いの立て方は間違っていなかった。期待のほうが間違っていた。

一方でトータルリターンは円建て+8,477円(+2.73%)まで伸びています。ナスダック系が稼ぎ、配当が7発届きました。守り役が殴られて、攻め役が拾った──分散しておいてよかったと言えば聞こえはいいでしょう。

でも、TLTXを「守護者」として持った理由は、株が崩れた週に守ってもらうためでした。金利そのものが主役の週は、もともと守備範囲外だったのです。守り役にも、守れない相手がいます。今週の私にとって、それは金利でした。

今週は、勝ったとも負けたとも言い切れません。問いには勝った。TLTXには負けた。770円、確かに口座に入った。


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よくある質問(FAQ)

Q1. 金利上昇局面においてTLTXのような債券系ETFは今後どのように立ち回るべきですか

金利上昇局面では、TLTXのような長期債券系ETFは一般的に価格下落リスクに直面します。カバードコール戦略は緩やかな上昇・横ばい・軽度の下落局面で有効ですが、急激な金利上昇局面ではその有効性が低下します。

コールオプション売却によりインカムを得る一方、原資産が権利行使価格を超えて上昇した場合の利益は限定され、下落リスクは引き続き負います。金利上昇は元本割れにつながり得るため、価格下落がインカムゲインを上回る可能性も考慮が必要です。

不確かな情報ですが、TLTXの設定来のパフォーマンスはNAVが4.80%、市場価格が5.30%の上昇を示していますが、将来の運用成果を保証するものではありません。

出典:– Global X Treasury Bond Enhanced Income ETF (TLTX) – Fact Sheet- iシェアーズ 米国債20年超 プレミアムインカムETF (453A) – ファクトシート- GraniteShares YieldBOOST NVDA ETF (NVYY) – Prospectus Summary


免責事項: 本記事は筆者個人の投資記録および分析であり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。記載の数値は執筆時点でのanalysis-lab DB実測値および公表資料に基づきますが、正確性を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。カバードコールETFは元本割れのリスクがあり、分配金には元本払戻金(ROC)が含まれる場合があります。

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この記事を書いた人

真毅のアバター 真毅 自由人

趣味はカメラ、ランニング、読書。職業はシステムエンジニア。昔はリサーチハウスで企業調査、産業分析を行っていました。目標は投資で稼いでゆっくり生きる。資格はFP2級、証券アナリスト。投資対象は日本株、米国ETF、金、暗号資産、不動産。金融資産と実物資産の両輪で資産形成。

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