2024年から新NISAが始まります。
新NISAの開始に当たり、オルカンvsS&P500論争なども起こっています。
新NISAではオルカンやS&P500以外にも多くの投資信託あり、他の投資信託などを購入を考えている人もいると思います。
ただ、投資信託を選ぶ際の判断基準がないとどれを購入すればよいか選ぶのが難しいと思います。
そこで今回は、後悔しないための3つのポイントを紹介します。
信託報酬ができるだけ低いインデックスファンドを選ぶ
私は0.22%以上の信託報酬を設定している投資信託は対象外にしています。
また、最近は「三井住友TAM-SMT iPlus 全世界株式」のように信託報酬が「0.055%+実績報酬」のように、最終的な信託報酬がいくらになるのかわからない商品も出てきました。
実績報酬のように不確定要素のあるものも除くほうか良いと思います。
なぜ信託報酬が低いものを選ぶのか?
例えば、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬が年0.05775%、「eMAXIS全世界株式」(Slimがついていない)が年0.66%であり、約0.6%の差です。
0.6%はわずかな差だと思うかもしれませんが、運用期間が長くなればなるほど、大きな差になります。
100万円を投資した場合、信託報酬の費用が20年後には以下の差になって現れます。
信託報酬が0.66%の費用 | 1,000,000円✕0.66%✕20年=132,000円 |
信託報酬が0.05775%の費用 | 1,000,000円✕0.05775%✕20年=11,550円 |
差 | 120,450円 |
1,2年では大した金額ではないかもしれませんが、期間が長くなるほど信託報酬が大きくのしかかります。
アメリカと日本、どちらのアクティブファンドも大半がインデックスに敗北
それを示すデータとして、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが発行している「SPIVA」スコアカードを紹介します。
「SPIVA」は、「S&P Indices Versus Active Funds」の略で、インデックスとアクティブファンドの比較をしています。
「アメリカ大型株に投資するアメリカ国内のアクティブファンド」と、アメリカの大型株の代表的なインデックスである「S&P500」を比較した結果が、下の表です。
表を見ると、2022年末までの1年間、3年間、5年間、10年間、15年間、20年間のどの期間でもアクティブファンドがS&P500に負けています。
期間 | 負けたアクティブファンドの割合 |
1年 | 51.08% |
3年 | 74.27% |
5年 | 86.51% |
10年 | 91.41% |
15年 | 93.40% |
20年 | 94.79% |
出典:「SPIVA®U.S.Scorecard」(2022) 注)クリックでPDFが開きます。
1年という短い期間なら勝率が50%近くあるのでアクティブファンドを選択していいかもしれませんが、長期になるほど勝率は下がり、期間が20年に至っては94.79%の確率でアクティブファンドはインデックスファンドに負けます。
※ファンドラップやロボアドはアクティブファンドに含まれます。
「隔月分配型」は資産形成に向かない
隔月分配型とは分配金を隔月で支払ってくれるタイプの商品です。
分配型の商品は運用で利益が出なかったときは元本を取り崩して分配金を支払います。
分配金を支払った分だけ元本が減ってしまうので、その後に値上がりしたときの恩恵は少なくなります。
還暦を迎えた人にとっては年金生活をしているような資産取り崩し層なら利用価値はありますが、これから資産を増やそうと考えている資産形成層が利用するメリットはありません。
複利効果を生かしてお金を長期的に増やすことを考えるならば、分配金はない方が効率的ですし、あっても再投資するほうが効率的です。
純資産が100億円以上
余りにも純資産が低いと繰上償還する可能性があります。
繰上返済とは投資信託の運用期間が終わり、信託財産の清算を行い、償還日時点の保有者に対して保有口数に応じた償還金を返還することをいいます。
つまり、投資信託が無くなり、強制的にお金が帰ってきます。
せっかく投資信託を購入したのに、自分の意に反して運用が終わってしまえば、また別の投資信託を一から探す必要に迫られる上に、新NISAの税金控除枠を無駄に消費してしまいます。
また、仮に含み損を抱えているときに繰り上げ償還をされてしまえば、そこで損失が確定してしまうことになるため、ファンドを保有する側にとっては「いい迷惑」なのです。
10億円未満の投資信託は高い確率で繰上償還されるため、安全を見て10倍の100億円以上の投資信託を選ぶのが良いと考えています。
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