ワンランク上を目指す経済指標入門:米国の経済指標の見方

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GDP

米国のGDP(国内総生産)は、アメリカという国の経済がどれだけ元気かを示す、最も重要な指標の一つです。

そして、アメリカは世界最大の経済大国であるため、その「体温」は世界中の国々の経済に大きな影響を与えます。ニュースで米国のGDPが注目されるのは、このためです。

雇用統計

雇用統計は、米国の労働市場の状況を包括的に示す重要な経済指標です。毎月第一金曜日に発表され、非農業部門の雇用者数の増減、失業率、平均時給などのデータが含まれます。

この統計は、経済の健全性を評価し、金融政策や投資判断に大きな影響を与えます。特に、雇用者数の増減は景気の動向を予測するための先行指標として重要視されています。

雇用統計は、連邦準備制度(FRB)の金利政策にも影響を与えるため、注目度が非常に高いデータです。

ADP雇用統計

ADP雇用統計は、米国の民間部門の雇用状況を示す重要な経済指標です。毎月初めに発表され、前月の民間企業における雇用者数の変動を報告します。

このデータは、公式な雇用統計に先立って発表されるため、労働市場の先行指標として注目されています。ADP雇用統計は、経済の健康状態を評価し、政策立案や投資判断に役立つ情報を提供します。

特に、非農業部門雇用者数と強い相関があるため、金融市場やエコノミストにとって重要なデータとなっています。

新規失業保険申請件数

新規失業保険申請件数は、毎週発表される指標で、労働市場の健康状態を示す重要なデータです。この件数は、新たに失業保険を申請した人数を示しており、失業者の増減をリアルタイムで把握することができます。

経済が悪化すると申請件数が増加し、改善すると減少する傾向にあります。企業の雇用動向や景気の転換点を早期に察知するための指標として、政策立案者や投資家にとって不可欠なデータです。

ISM製造業景況指数

米国の製造業における景況感を示す代表的な経済指標。Institute for Supply Management(全米供給管理協会, ISM) が毎月公表しています。

ISM製造業景況指数は、ISMが毎月発表する製造業の景況感を示す重要指標です。ISM Manufacturing Purchasing Managers’ Index (PMI)は「購買担当者景気指数」とも呼ばれます。

小売売上高

小売売上高は、米国内の小売業での売上を示す重要な経済指標です。これは消費者の支出動向を直接反映しており、経済全体の健康状態を測るうえで欠かせないデータです。

特に、米国のGDPの約70%が個人消費に依存しているため、小売売上高の変動はGDPの成長率に大きな影響を与えます。この指標は月次で発表され、経済の拡大や縮小の兆候を早期に捉える手段として広く利用されています。

消費者の購買力や信頼感の変化を理解するためにも重要です。

個人所得・支出

米国の「個人所得・支出」は、経済指標として非常に重要です。主に BEA(米国商務省 経済分析局:Bureau of Economic Analysis) が公表しています。

個人所得・支出 = BEAが公式発表、FREDで長期データを入手可能です。

新規住宅許可件数

新規住宅許可件数は、新築住宅の建設許可がどれだけ発行されたかを示す指標です。これは住宅市場の健全性を示す重要なデータであり、経済全体の先行指標としても利用されます。

許可件数の増減は、経済成長や景気循環の変動を予測する手がかりとなります。毎月発表されるこのデータは、住宅需要や建設活動の動向を把握するために欠かせません。

米国消費者信頼感指数

消費者の景気や雇用、収入に対する見通しや意識を数値化したもの。景気の先行きを占う 「ソフトデータ(心理・期待)」 の代表的指標です。

米国GDPの約7割は個人消費なので、消費者心理が落ち込むと実際の支出減少に結びつきやすいです。

ミシガン大学消費者態度指数

米国の消費者の心理・マインドを数値化した指標。1940年代から ミシガン大学消費調査研究センター(Survey Research Center, University of Michigan) が毎月発表しています。

消費者の景気・物価・雇用・所得などに関する意識や期待を調べ、将来の消費動向を占うもの。個人消費がGDPの7割を占める米国では、景気の先行指標として非常に重視されます。

耐久財受注

耐久財(durable goods)とは、3年以上使用できる製品を指します。(例:自動車、電化製品、家具、産業機械、航空機 など。)

米国商務省・国勢調査局(U.S. Census Bureau) が毎月発表する統計で、製造業の新規受注額(前月比変化)を示します。

米国消費者物価指数(CPI)

Consumer Price Index (CPI) は、米国の一般消費者が日常的に購入する 財やサービスの価格水準の変動を数値化した物価指標 です。米国労働省の 労働統計局(Bureau of Labor Statistics, BLS) が毎月発表しています。

いわゆる「インフレ率」を測る代表的な指標で、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策判断に直結します。基準年を100とする指数(現在は1982–84年平均=100)。

米国景気先行指数(LEI)

米国景気先行指数(LEI)は Conference Board が発表する総合先行指標です。労働時間、株価、金利差、住宅着工、新規受注など 10のデータで構成しています。

毎月発表され、景気後退や拡大のシグナルとして投資家・政策当局に重視されます。景気後退入りや回復局面を 3〜6か月前 に示すとされます。

米国の鉱工業生産指数

鉱工業生産指数は、米国の 工場(製造業)、鉱山(採掘業)、公共事業(電気・ガスなど) の生産活動を数量ベースで指数化したものです。米国の 連邦準備制度理事会(FRB) が毎月発表します。

GDPの先行指標のひとつであり、米国経済の「生産サイド」の動きを把握するために利用されます。生産活動は景気の拡大・後退に敏感。需要が減ると生産はすぐ減少し、景気悪化の早期シグナルとなります。

OECD景気先行指数

OECD景気先行指数(CLI)は、経済協力開発機構(OECD)が作成・公表している 各国や世界全体の景気の先行き(拡大 or 減速)を予測する指標 です。景気の「方向性」を数ヶ月先取りすることを目的としています。

GDPなどの実績値より早く景気転換点を示すことが期待され、投資家・政策当局・企業の経済見通しに利用されます。

Feb ウォッチ ツール

CME FedWatch Toolは、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での金利変更の確率を予測するためのツールです。30日連邦基金先物の価格データを使用して、市場の予想を視覚化します。

ツールの使い方は簡単で、各FOMC会合の日付を選択すると、その会合での金利変更の確率が表示されます。例えば、利上げや利下げの確率を確認することで、今後の金利動向を把握し、投資戦略やリスク管理に役立てることができます。

初心者でも直感的に理解できるように設計されており、最新の経済状況に基づいたデータを提供します。

欠員率

欠員率(Job Openings Rate / Vacancy Rate)」は、雇用全体に対して、まだ埋まっていない求人(job openings)がどれくらいあるかを示す割合のことです。

米国労働省労働統計局(BLS)が毎月発表している JOLTS(Job Openings and Labor Turnover Survey, 求人労働異動調査) で用いられる指標の一つです。

テイラー・ルール

テイラー・ルール(Taylor Rule)とは、アメリカの経済学者 ジョン・B・テイラー が1993年に提唱した、中央銀行が政策金利をどのように決めるべきかを示す「経験則(ルール)」です。

インフレ率と景気のズレに応じて政策金利を数式で決める考え方で、中央銀行の金融政策を評価する「物差し」 です。

スティッキープライス(Sticky-price)CPI

スティッキープライスCPI(Sticky-price CPI)は、価格変動が遅い商品やサービスの価格を反映する消費者物価指数です。これは、企業が価格を頻繁に変更しないために、価格が「粘着性」を持つ商品やサービスを対象としています。

この指標は、短期的なインフレ動向を評価するために重要で、一般的なCPIよりも安定した価格変動を示します。FRBなどの政策立案者は、スティッキープライスCPIを利用して、基調的なインフレ圧力を把握し、経済政策の決定に役立てています。

銅金レシオ

銅金レシオ(Copper-Gold Ratio)は、銅と金の価格比率を示す指標で、経済の健康状態やインフレ圧力を測るために利用されます。

銅は工業用途が多いため、経済活動が活発になると価格が上昇しやすく、景気の先行指標とされています。一方、金は安全資産として知られ、経済不安時に価格が上昇する傾向があります。

このレシオが上昇する場合、経済の成長期待が強まり、逆に下降する場合は経済の減速や不安が示唆されます。投資家や経済アナリストにとって重要な指標です。