新NISAの成長枠で個別株投資を検討している人も多いと思います。
今回は新NISA特有の落とし穴を解説していきたいと思います。
ちなみに以下の文章はほぼ週刊ダイヤモンド2024/03/02の抜粋です。
1.早過ぎる「利食い」と増えるばかりの塩漬け株
投資でもうける鉄則に 「損小利大」がある。損失は小さく、利益は大きく伸ばすべきだという意味だが、これが意外に難しい。
ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学で説明されているように、利益は早めに確定させて、損失はできるだけ確定させたくないのが、多くの人間の心だからです。
非課税な一方、特定口座のように損益通算ができない。言い換えると利益が出ないとうまみがない制度のため、この心理に拍車が掛かる可能性があります。
「非課税メリットを意識するあまり、利益確定が早まる一方で、保有銘柄は塩漬け株だらけ」になること避ける必要があります。
2.銘柄選びや買い時を重視 売りタイミングは無頓着
個別株に投資する場合、「出口」も最初から考えておきましょう。
売却ルールは自分の投資スタイルに合わせて設定すればいいが事前に決めたルールは守るようにしたい。
「落とし穴1」にも関連するが、シナリオ通りであれば利益を伸ばすべきだし、悪い方向にシナリオが外れたら売却を検討すべきだからです。
また、必要以上に「買値」にこだわるのもNGです。売却しても、新NISAでは翌年以降に「枠が復活」する。
再び変えばいいのです。
3.日経平均やTOPIXなど指数との比較に一喜一憂
新NISAであえて個別株投資をする以上、中長期的には指数を上回る成績を実現したい。これは偽らざる心境だろう。
だが、どんなすご腕のプロや個人投資家でも短期的には指数を下回ることがある。相場に合わせることも大事ではあるが、必要以上に自分のスタイルを崩す必要はない。
大事なのは苦手な相場で損失を抑えて、得意な相場で利益を伸ばすことなのだ。
4.株価チャートを見て「値頃感」で売買する
初心者にありがちなのが、「値頃感」で売買するケースだ。特に過去のスター銘柄には要注意だ。
2023年は成長が期待されていたグロースが低迷しただけに、過去の高値から見ると割安に思える銘柄も多い。
だが、昔の名前や、過去の成功体験にすがるのはよくない。業績が伸びていても、成長率という意味ではピークアウトしている銘柄には気を付けるべきだ。
根拠のな値頃感によるグロース様の安易な逆張りは危険だと心得よ。
5.日本の高配当株よりも米国の高配当株を狙う
株主重視が進んでいる米国には、魅力的な連続増配株や高配当株がたくさんあり、主要インターネッ証券では新NISAでも米国株を買うことができる。
ただ、配当狙い」で米国株を選ぶ場合は冷静が必要だ。実は米国株の配当は、まず現地10%の税金が差し引かれ、その
さらに日本でも金がかかる。このケースでは二重課税を解消するため、申告を行うと米国の課税分(10%)が付金としてってくる「外国税額控除」という制度が設けられている。
だが、 NISA口座の場合は確定申告ができないため、「外国税額控除」を使うことができない。つまり、NISAでは日本株の配当は税金ゼロだが、米国株は100%税金がかかる。
そのため、配当の扱いについては、日本株に優位性があります。
実際の投資では、株価変動も考慮する必要はあるが、米国の高配当株に投資している人は心に留めておいた方がいいだろう。
6.税制メリットだけでiDeCoを優先
iDeCoは積立時、運用時、受取時の一つのタイミングで税制上の優遇がある。特に会社員の場合、所得控除のあるiDeCoは税制上のメリットが大きい。
利益を確定させないと非課税メリットを享受できない新NISAよりも、まずはiDeCoを優先すべきだと考える人も多いだろう。
ただし、iDeCoは老後のための資産形成が目的であるため、原則的に60歳まで引き出すことができない。 ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は次のようにアドバイスする。
「資金に余裕があればiDeCoも新NISAもやるべきだが、住宅ローンや子どもの教育費など、目先のライフイベントの資金が十分でない人は新NISAを優先すべきだ。 60歳まで解約できないDeCoと比較すると、新NISAは自由度が高く、いつでも取り崩しが可能だからだ」
7.高いリターンを狙って1銘柄に集中投資
個別株で高いリターンを狙って1銘柄への集中投資は避けた方がいい資産全体やリスク許容度にもよるが、基本は複数銘柄への分投資がセオリーである。
新NISAは恒久的な制度なのだから、無理して枠を使い切る必要はない。 投資は余裕資金でするのが鉄則なのだ。
8.配当利回りの高さだけで高配当株や割安株を購入
初心者はもちろん、中上級者にも人気なのが高配当株だ。主要なネット証券の新NISAの買い付ランキングにおいても上位には高配当株が目立つ。
だが、株価指標だけを見て銘柄を選ぶのはリスクが高い。なぜならば、業績が悪化して株価が下落した結果、「高利回り」や「割安」になった銘柄もあるからだ。業績悪化が続くと株価が下落し、配当も減額修正されることもある。
少なくとも今期の会社予想を確認し、将来も配当が維持できそうかどうかを確認する習慣はつけよう。 50%から実際の銘柄を紹介しつつ、高配当株の選び方を解説するのでチェックしてほしい。
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