マイナス金利解除による国内外の専門家の意見
日本銀行(日銀)がマイナス金利政策の解除を含む金融政策の正常化に向けた動きを見せていることが、市場の関心を集めています。この政策変更については、国内外の専門家から様々な見解が出されており、その影響についてもさまざまな意見があります。
エバコアISIのクリシュナ・グーハ氏は、マイナス金利の解除と長短金利操作(YCC)の撤廃が、市場に対してタカ派的な印象を与える可能性があると指摘しています。また、日銀はマイナス金利解除後、1年から1年半をかけて計0.5〜0.75%の利上げを実施すると予想しています。
バンク・オブ・アメリカのクラウディオ・ピロン氏は、マイナス金利解除とYCC撤廃が市場に既に織り込まれているため、相場の反応は限定的だろうと見ています。また、日銀が過剰とも思える国債購入を継続する可能性が高いとしています。
ゴールドマン・サックスのカマクシャ・トリベディ氏は、マイナス金利の解除は日米金利差の縮小にはほとんど寄与せず、円キャリー取引は引き続き魅力的だと述べています。
バンク・オブ・アメリカのラルフ・プレカーサー氏は、日銀の動きが米国債に与える影響は限られると予想しています。また、日銀が国債買い入れを続ける可能性が高いとしています。
ゴールドマン・サックスのプラビーン・コラパティ氏は、日銀がマイナス金利を解除しても、大幅な国債買い入れの縮小が伴わなければ、利回り曲線はより平たんになると予想しています。また、長期債購入に関する日銀のコミュニケーションが重要になると指摘しています。
これらの専門家の意見からは、日銀の政策変更が市場に与える影響は限定的であるという見方が多いことがわかります。
- マイナス金利解除
- YCC(長短金利操作)撤廃
- ETF/REIT買入終了
って、かなりのインパクトが有ると思ってたんですがね~
日本銀行がFRBのマネをして市場との対話を行うと、期待した効果が得られないと言う悲しい結果となりました。
日銀の発表はサプライズなしということで、円安方向に向かいました。
本来だったら、円高へ舵を切りたかったでしょうに失敗ですね。
明日夜のFOMCでは金利据え置きが有力視されています。そのため、パウエル議長の会見や、今回発表されるFOMC委員の金利見通し分布図(ドット・プロット)に注目が集まっています。
前回12月に公開されたドット・プロットは、今年3回の利下げ(計0.75%)を見込むものでしたが、ここ最近の経済指標を受けて、利下げの意向を後退させているのか、年内3回の利下げ見通しに変化がないのか、市場参加者は注目しています。
金融市場は先日のCPIやPPIの発表以降、早期利下げ観測を後退させており、年内利下げが2回に減るようなことになれば、金利差の縮小が予想よりも小さいため、円安に向かう可能性が高いです。
このままなら、ドル円が160円になる日もそう遠くないと想像しています。
住宅ローン金利はどうなるか?
ざんねな円安が続くことがほぼ決まりましたが、住宅ローンを組んでいる身としては、金利の上昇がどうなる時になるところ。。。
結論から申しますと、今の水準なら借りている変動金利はほぼ影響がないと考えられます。
変動金利型住宅ローンの基準金利は、各銀行が決める短期プライムレート(短プラ、1年未満の貸し出しの基準金利)に一定幅を上乗せした水準になるケースが多く、私が組んでいる住宅ローンも短期プライムレートに上乗せしているものです。
19日の日銀決定を見てみると、2つの点でこの短プラの引き上げを起きにくくする内容になっていました。
- 無担保コール翌日物金利(翌日物金利、借りた翌営業日に返す極めて短い銀行間の資金の金利で金融機関の資金調達コストを左右)を0〜0.1%程度で推移するよう促すとしたこと。つまり翌日物金利が0.1%を超えて大きく上がる展開にはなりにくい。
- 声明文に「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」と記したことです。過度の金利先高観の拡大で3カ月物など翌日物よりも長い短期金利の上昇に拍車がかかる事態も防ぐ狙いがありそうです。
こうした対応により、多くの銀行で短プラの上昇は起きにくくなる効果が期待できるのです。
また、日銀のホームページを見ると、短期プライムレートが最後に下がったのはマイナス金利が導入された、2016年ではなく、政策金利を0.3%から0.1%に下げた09年でした。
従って、変動金利が上がるのは次に利上げが起こるタイミングだと推察されます。
正直、米国が今年の6月に利下げするかもしれない状況で、世界の金利の動向を読まずに日本だけ金利を上げる可能性は低いと思うんですよね~個人的に。
なので、私が予想する住宅ローン金利が上昇するタイミングはアメリカがソフトランディングして、再度金利を上げなければならない状態になる頃だと考えています。
そして、アメリカが次に金利を上昇させるタイミングは3~5年先だと予想しています。
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